不動産の売買仲介、空き家活用事業を展開するジェクトワン(東京都渋谷区)は、空き家の有効活用を促すための調査や啓発活動に力を入れる。
不動産会社に相談との回答47.4%
2月に同社が行った東京都の空き家所有者に対する意識調査では空家等対策の推進に関わる特別措置法の認知度は半数以下、特に空き家を所有している年数が長いほど認知度が低いという結果が出た。
若年層や放置年数が短い所有者ほど空き家を貸す、または売ることを検討する傾向にあった。
空き家の相談は47.4%が不動産会社にしており、役所や公的な相談窓口へは10.4%にとどまった。一方で、8割が対応に不満を感じている。
空き家活用の啓発では、「令和2年度民間空き家対策東京モデル支援事業」として、2020年9月から、21年3月まで空き家所有者への意識啓発活動を行う。高齢者向けにオリジナルのエンディングノートやパンフレットの配布をし、セミナーも開催する。
空き家を相続する予定の30~50代の子世代向けには実家や自宅について必要な備えを時系列でチェックできるマップを配布する他、広告動画の配信も行う。
その他、同社オウンドメディアにて空き家の啓発、活用促進のコラムの掲載も行う。
地域コミュニティ事業部印南俊祐シニアマネージャーは「空き家所有者は面倒くさい、特に困っていないという理由で放置している。今後は高齢者層との接点が多い業界との業務提携を通じアプローチする他、相談相手になりやすい孫世代を通して間接的に啓発活動をしていきたい」とコメントした。
同社は空き家活用事業『アキサポ』を展開。空き家所有者から定期借家で物件を借り受け、リノベーションして貸し出す。16年からスタートし、5年間で34件(5月末時点)の実績を積み上げてきた。
(6月7日19面に掲載)
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