管理戸数約1400戸のホワイトホームズ(東京都大田区)は、外国人向けに設計された物件をリノベーションすることで、日本人入居者の住みやすさを向上させた。家賃を3万円アップしたうえで、施工前に入居者が決まった。施工費は解体費込みで約550万円だ。
賃料3万アップし入居決まる
改修した物件は東急池上線「雪が谷大塚」駅から徒歩8分の場所に位置している「チェリーハウス」だ。木造2階建ての戸建て賃貸住宅で、築年数34年。間取りは4SLDKで、総敷地面積は179.68㎡になる。
建築当初は外国人が入居しており、テナントの入退去があった後、広めの戸建て賃貸を探していた50代夫婦から問い合わせを受けた。だが設備や間取りが外国人向けのままだったため「住みやすく改修してもらえれば入居する」と言われたことから設計を見直しリノベーションを行った。
リノベーションを行った後、家賃は35万円から38万円にアップ。先述の夫婦へ設計案を見せたところ、入居を承諾したという。
外国文化を前提にした設計を日本人向け住宅に直した点が特徴。例えば、外国人は土足文化を持つ場合が多く、フローリングを歩くと床を傷つける可能性がある。そのため床にカーペットを敷いていたが、それをフローリングに変えた。また、二つある3点ユニットのうち一つは、浴室と洗面台に分離し、トイレを撤去した。
一方で、手をいれず残した点もある。玄関やサニタリースペースに設置されたクラシックな照明器具は古くとも部屋の雰囲気に合うと判断し、残したという。
営業部の持田美紀係長は、「住みやすさを向上させつつ、外国人住宅のレトロな雰囲気を残した。施工前から入居を決めてもらうことができたことで、営業力よりも、商品力が重要と感じた」と話す。
(7月26日27面に掲載)
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