将来的に全米で250万戸足りない見通しを発表
米国では国内景気が好調な一方で、住宅市場では販売戸数が伸びていない。この背景には売り物件が少ないことが起因しており、需給のアンバランスから取引価格のみが上昇傾向にある現状に対し供給増加が急がれる。
低価格住宅の逼迫在庫が課題
米国連邦住宅抵当公庫は、将来的に全米で250万戸の住宅不足が懸念されるとの見通しを発表した。事実、2009年以降の10年間で年あたり約35万戸の新築物件の不足が続いており、このままでは10年後の在庫不足は極めて深刻とみている。一方、既存住宅では老朽化が目立ち始め所有者は改築か建て替えの選択を迫られており、現状のまま所有継続となれば今後の売り物件への転用はさほど期待できない。
市場では戦後のベビーブーマー(BB)世代が住宅を含む消費ブームを形成したが、その2世代目となるミレニアル層が拡大しBB世代を追い越して730万人といわれる。そして同世代が本格的に住宅購入に参入し始め更に売り物件の需要が高まる。既存の戸建て住宅の場合、所有期間が平均8.3年といわれるが、住宅価格の上昇からこの期間の長期化が予想される。更に取引市場では、全額現金で中古住宅を取得する投資家層が賃貸物件として長期間保有する傾向がある。これは退職後の不労所得の確保に加え、最近の賃料上昇によって保有メリットが高まっているからだ。
住宅市場の供給改善に向けて
1・住宅建築業者の本音
供給改善には新規着工物件の増加が手っ取り早い。今年3月末現在では、新築住宅の平均建築コストが30.27万ドルとなり、前年比で10%の減少となった。米国商務省はこれを建築ブームに向けた追い風とみているが、タウンハウスなど初期購入者に向けた物件の建築コストの更なる削減が求められる。ともすれば収益率の高い高額物件への着工を優先する住宅デベロッパーの本音は、一定の収益確保を前提にした住宅建築に向け〝デンシティー・ゾーン〟(DZ)と呼ばれる住宅建築戸数規制に対し所轄官庁による規制緩和を求めるとしている。
2・2世帯型への移行





