RC造マンション建築に特化
2025年度に9棟159戸の賃貸住宅を建設した藤﨑建設工業(茨城県行方市)は、商圏を広げる。地主の土地活用として賃貸住宅を建設するケースと、土地の仕入れから行う開発物件の建設がそれぞれ5割となっている。
完工数増加の要因は既存の商圏だった茨城県神栖市から建築エリアを拡大したことだ。土浦市や阿見町など茨城県の県南エリアでも賃貸物件を受注。完工した9棟のうち、2棟が県南エリアの物件だ。
藤﨑政行社長は「既存のエリアでは工事費用が高騰しても、相場を踏まえると家賃を上げることができないため、利回りが下がってしまう。そのため、新築で賃貸物件を建てる地主や投資家が減った。人口が多く、家賃に伸びしろがあり、物件の事業性を見込めるエリアに商圏を広げた」と話す。
同社の特徴は、RC造の建築に特化している点だ。1棟あたり18戸で1LDKの間取りがメインとなる。環境配慮型賃貸にも力を入れる。24年度に完工した9棟のうち4棟がZEH-M Oriented(ゼッチマンションオリエンテッド)を取得している。
「元々、省エネ性能の高い物件を開発してきた。ZEH-M Orientedの取得も、通常開発の物件と大差なく行うことができる」(藤﨑社長)
電気自動車(EV)用充電器の設置も進める。商圏の神栖市内ではEV充電器付きの賃貸住宅の競合が少なく、EV充電器を目当てに入居する人もいる。都市部から移住してきた人などから問い合わせはあるという。
藤﨑建設工業
茨城県行方市
藤﨑政行社長
(2025年7月14日2面に掲載)




