60歳以上向けプラン作成
1万4200戸を管理する丸八アセットマネージメント(静岡県浜松市)は2024年1月より、入居者向けの火災保険・家賃債務保証などのパッケージに見守りサービスを組み込んだプランの提供を開始した。60歳以上の新規入居者に加入を義務付けることでオーナーの理解を促進し、高齢者の入居を進める。
同社は、従来の入居者向けの保険や保証、駆け付けサービスなどのパッケージ「MSフルサポート」に、見守りサービスと孤独死保険を付帯した「ゴールドプラン」を作成。ゴールドプランは、MSフルサポートの月額料金に見守りサービス分の料金を追加したものだ。60歳以上の新規入居者には加入を必須としたことに加え、75歳以上の既存入居者にはベテラン社員が電話をかけて加入を案内している。新規入居者は月6〜7件、既存入居者は月1〜2件ずつ契約があり、25年6月3日時点で契約数は100件強に達した。
見守りサービスは、中部電力ミライズコネクト(愛知県名古屋市)が提供する、電気使用量で入居者の安否を確認するサービスを採用。丸八アセットマネージメントのリーシング事業部・鈴木清人次長は「電気使用量を使った見守りサービスは専用機器が不要なので、入居者が『利用しない』ということがない。管理会社としても機器の設置や保管の手間がかからないため、高齢者の入居を進めやすい」と話す。
電気使用量で異常を検知した際、入居者の緊急連絡先と同社に通知が入る。通知があった場合は、同社のコールセンターから入居者に直接電話する。電話連絡が発生するのは月に2〜3件。入居者と電話で連絡が取ることができず居室を解錠しに行くというケースは、24年1月のサービス提供開始以来、まだ1件もないという。
入居者の年齢上限は設けていないが、70歳以上の人が入居する場合は子どもによる代理契約を条件としている。「過去には、高齢の入居者が認知症になり近隣トラブルが発生したケースがあった。そうした際に裁判や退去に対応してもらう必要があるので、契約者は基本的に子どもにお願いしている」(鈴木次長)
同社が高齢者の入居に取り組むのは、社会問題の解決に協力するのが不動産会社の責務だという平野啓介社長の方針によるものだ。「オーナーの資産を守りながら高齢化という社会問題の解決に取り組むべく、見守りサービスや保険によりリスク管理をしていく。今後は高齢になった長期入居者の見守りサービス利用を促進するため、オーナーにも費用を負担してもらうプランの提案もしていきたい」(鈴木次長)
(2025年8月4日35面に掲載)





