企業研究vol.047 楽天損害保険 多田健太郎 社長

楽天損害保険

インタビュー|2020年02月07日

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楽天損害保険 多田健太郎 社長(48)

 2018年に損害保険事業に参入した楽天。商品開発・販売を手掛ける楽天損害保険(東京都新宿区)は、保険料への楽天ポイント付与やペーパーレス契約で差別化を図り、顧客を獲得していく。膨大な会員数とインターネットを介した多様なサービスを結びつける『楽天経済圏』において「ユニークな商品を提供したい」と語る多田健太郎社長に話を聞いた。

保険料にポイント付与、会員4000万人の経済圏が強み

総括契約の認可を取得ペーパーレス契約も始動

――昨年7月に社長に就任されました。

 楽天はEC事業のほか旅行やゴルフなどのスポーツレジャー予約サービス、銀行・証券などの金融サービス、新たに進出する通信など、あらゆる領域でサービスを展開するユニークなグループです。私は保険業界一筋でさまざまな経験を積んできましたが、このグループで損害保険を手掛けることを純粋に「面白そう」と感じました。楽天グループが持っているインフラを考えると魅力やポテンシャルを十分感じていましたし、今もその期待は増しています。

――ECサービスやプロ野球チームを通じて『Rakuten』ブランドを身近に感じる利用者は多いでしょう。

 「ブランド」「データ」「メンバーシップ」が強みです。会員数は発行ID数で1億以上。楽天のサービスを繰り返し利用しているアクティブユーザーは4000万人にのぼります。

――膨大な会員数と購買履歴などのデータは大きな武器です。『楽天エコシステム』という独自の経済圏でB toCサービスを展開するなか、2013年に生命保険、18年に損害保険に参入しました。

 住居を変えるとき、つまりライフステージが変わるときは、家具や家電のほかさまざまな家庭用品が必要になります。ECサービスを通じて新生活に必要なものを提供できるのが強みですが、カスタマージャーニーのなかで損害保険もお客さまとのタッチポイントを得ることができると考えます。

――保険は安定した生活を営む上で欠かせないものです。

 06年に設立した『日本震災パートナーズ』では地震災害に備える保険を手掛けていました。地震保険は建物価格の50%までしか保険をかけられないため、残りの50%を補てんし、生活再建を支援できる商品を作ったのです。個人住宅の場合は自宅のローンを完済する前に倒壊などの被害にあってしまうと、残りのローンを払いながら新たに新築する自宅のローンまで払う「二重ローン」のリスクもある。そのような問題を解消できる商品を作りたい思いがありました。

――設立の5年後には東日本大震災が起こりました。

 大変な出来事でしたが、保険金の支払いはスムーズにいき、その後の加入者も増えました。保険金は再保険で賄うことができましたが、翌年には再保険の更改を控えており、保険料が上がることは明らかでした。商品のニーズが顕在化された実感はありましたが、提供し続けるには増資して体力を整える必要があると考え、SBIに増資を引き受けてもらったという経緯があります。

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