屋根を設置して目を引くエントランスに
2016年03月17日 | リノベーション
石材でヨーロッパの田舎町を連想
「この物件には、エントランスがないんですね」。
築36年のマンション「内田コーポ」(東京都板橋区)の内田ユリ子オーナーは、不動産会社にこう指摘された。
各戸は、退去が出るたびにリノベーションしており、相場よりも1万円ほど高い賃料でもすぐに決まる。
相続してから10年間、満室経営を続けてきた。
常に物件に磨きをかけてきたが、不動産会社からのこの一言がきっかけで、エントランスの設置にも踏み切った。
もともと石材の仕切りがあるだけで、門がなかった。
土間になっており、やや殺風景な印象だった。
「遠くからでも目を引く、上品でほかにはないデザインにしたい」という内田オーナーの要望を受けて改修を手掛けたのは丸山保博建築研究所(東京都杉並区)だ。
「目を引く」といっても単に目立つものではなく、街並みに調和し、入居者が心地良いと感じるようなデザインを心がけた。
ベースにしたのは、ヨーロッパの田舎町にある民家の建築だ。
仕切りは取り壊して、小石を積む方法で作り直し、門を取り付けた。
門をくぐったところには、木造でアーチ状の屋根を設置。
上部には汚れがつきにくいガルバリウム鋼板を張り付けている。
天井には、オーナー支給でステンドグラスのような傘の照明を取り付けた。
土間だった地面は、テラスのように人工木材のデッキを敷いた。
投資額は約300万円。