4年前に、分譲マンションの開発から低層階の投資用アパート『MIJAS(ミハス)』の開発にシフトして、71棟を販売した明豊エンタープライズ(東京都目黒区)。スペインのミハス地方をイメージしたデザインで、入居率98%以上を維持。小口化事業参入や海外への進出など新たな取り組みを始めている。昨年10月に新社長に就任し、グループの管理会社・明豊プロパティーズ(同)の社長も兼務する梅木隆宏社長に今後の展望を聞いた。
経営危機のりこえ新事業で復活
梅木 お久しぶりです。6年前にグループの管理会社である明豊プロパティーズの社長としてこの場にお招きいただきました。
亀岡 そうでしたか。現在は、明豊エンタープライズの社長に就任されたのですね。
梅木 昨年10月に、親会社の新社長として就任しました。分譲マンションの開発、低層階の投資用アパートの開発をしております。
亀岡 建設会社ですね。私は昔、電源開発を取材していたので、大手建設会社の社長で会っていない人はいませんよ。最初の大事業といわれた静岡県の佐久間ダム建設は、間組が入っていました。当時社長だった神部満之助氏とは、親しい間柄でした。女性がいる店に行っては、よく取り合いをしていましたよ。
梅木 神部さんともつながっておられるのですね。驚きです。
亀岡 神部氏は、丹那トンネル建設時の落盤事故から生還した強運の持ち主としても有名でした。
梅木 トンネル工事での事故はなくならないといわれていますね。
亀岡 落盤事故を防ぐことで有名になった企業は住友林業です。空洞を掘るときに崩れないように支えたのが住友林業の木材でした。のちに頑丈な木材ということで電車の枕木や住宅として使われるようになってきました。
梅木 別子銅山は住友の原点とも言われていますね。
亀岡 住友のようにこの業界で有名になるには、信頼が必要です。
明豊エンタープライズ
梅木 隆宏 社長
1960年5月19日生まれ。広島大学卒業後、東亜建設工業に入社。同社の前社長であり弟の梅木篤郎氏の誘いを受け、明豊プロパティーズ(前東京テナントセンター)に入社。昨年10月明豊エンタープライズの社長に就任した。趣味は、ゴルフで月2、3回はコースに出る。ペットが好きでロシアリクガメとシュナウザーを飼っている。
- 明豊エンタープライズ
- 本社所在地 : 東京都目黒区目黒2-10-11 目黒山手プレイス5F
- 設立 : 1968年9月9日 資本金 : 1億円円
- 事業内容 : 不動産開発・販売、不動産賃貸・仲介
経済評論家 亀岡 大郎 氏
大正15年京城生まれ。新大阪新聞経済部長を経て、経済評論家となる。文藝春秋、サンデー毎日など一流紙で、経済・財界問題を中心に、精力的な活動を続ける一方で「自動車戦争」「ゲリラ商法」「IBMの人事管理」などベストセラー多数。