賃貸住宅の入居者向けに家財保険を販売するジャパン少額短期保険(東京都千代田区)。
不動産会社などの代理店がもっと顧客に提供しやすいよう月額プランを用意したり、親会社であるジャパンベストレスキューシステムと連携し、24時間駆け付けサービスとセット販売を行い他社との差別化を図っている。システムにも力を入れる同社、杉本尚士社長に今後の展望について話を聞いた。
親会社のJBRとの連携が奏功
亀岡 対談は約10年ぶりでしょうか。おみえになった当時は保険業改正で家財保険が新設されたばかりで、少額短期保険の会社名をあまり聞きませんでしたが、最近は大手や団体など業者が参入していますね。
杉本 営業を開始した2007年は、1桁ほどしか事業者がありませんでした。当社は関東でも4番目、全国でも5、6番目と早い段階から手掛けています。現在は98事業者が登録しており、そのうち約半数の46社が家財保険を取り扱っています。
亀岡 家財保険も競合相手が多い分野ですね。保険の内容で圧倒的な差別化を図ることが難しい分、どんな戦略を立てていますか。
杉本 東証一部上場企業であるジャパンベストレスキューシステム(以下、JBR)が親会社であるため、信頼が得られ営業がやりやすいです。また、JBRの営業と連携して、鍵や水回り、窓ガラスなどの24時間365日出動のトラブル対応と、家財保険をセットにした商品の販売なども行っています。

ジャパン少額短期保険
杉本 尚士 社長
1969年1月23日生まれ。大阪府東大阪市瓢箪山出身。慶応義塾大学経済学部を卒業後、91年、日本生命保険相互会社入社。2004年、ニッセイ情報テクノロジーへ出向し、06年同社を退職。08年、ジャパン少額短期保険の代表取締役に就任。現在に至る。 趣味はテニス。
- ジャパン少額短期保険
- 本社所在地 : 東京都千代田区大手町2-1-1大手町野村ビル7階
- 設立 : 2006年4月5日(法人登記:2007年10月25日) 社員数 : 28人 資本金 : 7億円
- 事業内容 : 賃貸住宅の入居者向け家財保険、テナント総合保険、弁護士保険などの少額短期保険の販売

経済評論家 亀岡 大郎 氏
大正15年京城生まれ。新大阪新聞経済部長を経て、経済評論家となる。文藝春秋、サンデー毎日など一流紙で、経済・財界問題を中心に、精力的な活動を続ける一方で「自動車戦争」「ゲリラ商法」「IBMの人事管理」などベストセラー多数。