住宅金利の上昇続く、8%目前

アメリカ不動産事情 第111回 先行き不安の米国内景気と商業不動産

投資|2023年10月04日

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 8月20日、南カリフォルニア地域をハリケーン「ヒラリー」が急襲した。米国に暮らして50年近くになるが、同地へのハリケーン到来は84年ぶりとのことだ。ハワイ州のマウイ島を始め世界中で大規模火災が続く。自然災害なのか、それとも人為的災害の気配もする中、米国発世界経済の先行き不安が増している。

自宅購入諦め、DIY改装人気

クレカ返済が延滞 融資規制が加速か

 真夏の行楽シーズンを迎えた全米各地ではガソリン価格の高騰が続いており、日常の暮らしにもインフレの影響がじわりじわりと拡大する中でリセッション(景気後退)が始まっている。

 大手小売事業者のMACY'S(メイシーズ)では米国の一般消費者の可処分所得が減少し、買い物を手控える傾向にある。今後も一般世帯では所得の伸びが期待できないことから国内の景気減退を警告している。

 全米最大のホームセンターを展開するHOME DEPOT(ホームデポ)は、堅調な売り上げの背景には、住宅取引が本番となる夏場でも直近のローン金利上昇や景気の先行き不安から自宅の買い替えを諦めマイホームの改装にいそしむ世帯が増えていると分析する。

 2023年は週末になっても売り出し用のオープンハウスの看板をほとんど見かけない。7月26日の米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げで8月初旬に上昇トレンドに入った住宅金利(30年固定型)は8月30日時点で7.54%に達しており、次回、FRBの再利上げが実施されると8.0%に迫る気配だ。住宅取引市場のさらなる冷え込みが懸念される。

 レジャー向け製品やスポーツ用品の販売を全米展開するDICK(ディック)の店舗では22年以降売り上げの減少が顕著となっているが、それ以上に店舗内での万引きや盗難が急増し、売り上げ損失につながっているとのことで、これにより在庫の縮小を懸念する事態になっている。

 雇用市場では求人倍率が22年のピーク時の2.0倍から23年7月末時点では1.51倍にまで落ち込んでおり、雇用市場の悪化が見られる。

 中間所得層を中心に個人のクレジットカードの支払い延滞が急増しており、これが続けば銀行の不良債権が増して、融資規制が加速することになる。消費減退、需要減で企業の収益悪化と続き融資規制、企業倒産の急増への悪循環も予想される。実際に23年上期に企業倒産件数(チャプター11:日本の民事再生法に相当)は22年度比で68%も急増中だ。

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