在宅率が高まっている昨今、関心を集めているのが防音商材だ。2000年より防音商品を専門に開発・販売してきたピアリビング(福岡市)では、床や壁に簡単に後付け設置できる商品を取り扱っており、年間で約4万人が購入する。新型コロナウイルスの感染拡大時期は商品への問い合わせ数が5倍に膨れ上がったという。生活様式の多様化から音への対策には今後も底堅い需要が見込まれる。賃貸住宅にも設置しやすい商品をそろえる同社の室水房子社長に、防音商品の開発経緯や特長について話を聞いた。
生活音を抑制 商品種類は50点
―「防音専門ピアリビング」という店舗名で多様な防音商材を販売していますね。
当社で扱っているのは、床に敷く防音マットやカーペット、壁面に取り付けるパネル、遮音性の高いカーテンなどで、商品の種類は50点ほどになります。組み立て式の防音室も提供しており、楽器演奏やワークスペース、動画配信などの用途にも対応しています。
―コロナ禍をきっかけに家で過ごす時間が増えました。趣味や働き方も多様化が進んでいる中で音の問題に悩む人が増えているのでしょうか。
コロナ下で学校が休校になったり、在宅ワークの機会が増えたりするなど、生活環境に大きな変化がありました。それに伴い、当社への問い合わせや相談の件数も、20年3月ごろにはそれまでと比較して5倍程度にまで増えました。持ち家に住んでいる人や賃貸住宅に入居している人らからの相談が多くを占めますが、賃貸住宅のオーナーや管理会社からの問い合わせもあります。22年度の年間受注件数は4万4000件、売り上げは11億5000万円でした。趣味や仕事の多様化も進み、防音対策の需要は底堅いと思います。