長期の空室、仲手2.2カ月
国土交通省は、空き家流通促進に向けた制度を強化する。「不動産業による空き家対策推進プログラム」を策定し6月21日に公表した。
同プログラム策定の目的は、空き家流通のビジネス化だ。国交省の不動産・建設経済局不動産業課の不動産政策企画官の伏原洸氏は「宅建業者がしっかり収益を得られる設計にすることが結果的に空き家の流通促進につながる」と話す。
ポイントは大きく4点。一つ目は、長期間使用されておらず、将来も使用見込みがない物件の媒介手数料の上限を変更。貸主からの媒介手数料は賃料の2.2カ月分まで受領できるとした。
二つ目は「低廉な空家等」の流通にかかる媒介手数料の引き上げ。従来、「低廉な空き家等」の媒介手数料の上限は特例として原則の媒介手数料ではなく、18万円の1.1倍だった。これを30万円の1.1倍に引き上げた。
三つ目は、媒介に至る前のコンサルティング業務の報酬受領に関してだ。従来から総合的なコンサル料については述べられていたが、より具体的に報酬を受けられる業務の指針を示した。
四つ目は空き家の管理受託のガイドラインの策定。空き家の管理における標準的なルールを定め、契約書のひな型を示す。
(2024年7月8日1面に掲載)