北海道江別市の地場大手不動産会社で、2100戸を管理する外山不動産グループ(北海道江別市)。人口が減少傾向にある商圏において、2代目の外山晃次社長は利益を追う安定経営のかじを取る。
全社で利益を意識
―江別市で創業37年目を迎えられました。
「景気に左右されない」会社づくりを念頭に置いています。そのため、売り上げ目標をあえて掲げず、社内で意識して追うのは粗利目標です。2023年度のグループ売り上げは約6億円、経常利益は約4000万円でした。利益に占める事業構成比率は、高い順に売買仲介、リフォーム、自社保有物件の家賃収入、管理、賃貸仲介です。当社は四つの会社から成るグループで、すべての会社でオーナー業を行い、メイン事業はすみ分けをしています。4社とも江別市内に拠点を構え、二つの仲介店舗と、三つの事務所があります。グループ全体の従業員数は約40人です。
入居率95%で推移
―管理は2000戸を突破しました。
はい、24年6月末時点の管理戸数は2100戸です。江別市内の管理シェアは16〜18%と思われます。年間平均入居率は95%。オーナー向け通信の配布やセミナー開催、テレビCMの放送、新聞の折り込みチラシなどで認知度を拡大し、年間100戸程度の推移で増加してきました。7割が地主系オーナーからの管理受託で、3割が投資家系です。投資家割合は徐々に増えています。入居者属性は、6割超がファミリー、残りが学生や社会人の単身者、外国人などです。人口が減少傾向にあるエリアで、戸数拡大よりも、入居率向上に目を向けています。
―入居率向上のために取り組んでいることは。
外国人と高齢者の受け入れを強化しています。商圏の江別市は、14年ごろから、パキスタン人が増えているエリアです。たまたま一人のパキスタン人の事業家が江別市で会社を設立し、事業拡大に伴い徐々に同国の仲間が増えていき、移住者は数百人以上に上っている印象です。私を含め、社内には英語対応が可能なスタッフが数人いるため、パキスタン人の部屋探しは、商圏内では当社が獲得できています。入居者割合で見ると大きくはないですが、強みの一つになっています。