新聞販売店、自治体とも提携
不動産投資や賃貸経営における各種サービスを展開するヤモリ(東京都渋谷区)は、高齢入居者の見守りサービス「みまもりヤモリ」を提供している。通信機器を持つ専用端末のモーションセンサーで入居者の動きを検知。一定時間内に動きがなかった場合、管理会社やオーナー、親族などにメールやSMSで通知する。
端末は単4形乾電池2本でおよそ2年間稼働する。公共電波で通信を行うため、Wi-Fiは不要だ。管理会社には専用のクラウドソフトを無料で提供する。初期費用は無料、月額1100円(税込み)から提供する。2023年5月にリリースし、24年5月末時点で約50社の利用がある。
オプションで、あいおいニッセイ同和損害保険(同)と共同開発した孤独死保険も提供する。居室内で死亡事故が発生した際に、原状回復費や貸出時の家賃減額分を補償。1室あたり月額200円でみまもりヤモリに付帯することができる。
従来の見守りサービスには、電球の使用状況やドアの開閉を検知対象にするものがある。いずれも料金や設置のしやすさで利便性がある一方、電球の口径が合わない物件があったり、ドアが開きっ放しになることで検知機能が働かなかったりすることもあった。みまもりヤモリは、居室や玄関付近などの生活動線にモーションセンサーを設置することで検知漏れを抑える。
5月12日からは朝日新聞社(東京都中央区)と提携し、「朝日みまも郎」の名称で販売店を通じて新聞購読者にサービスを訴求している。まずは大阪府内の販売店およそ70社が、40万世帯に向けて折り込みチラシを使って周知を開始した。
3月には、山梨県道志村とも提携。高齢者が住む10世帯に設置し、緊急時には役場が連絡を受ける形で1年間、試験運用をしている。村ではこれまで、単身高齢者に月2回、電話で安否を確認していたが、運用上の負担からみまもりヤモリの導入を検討した。
藤澤正太郎社長は「サービス付き高齢者向け住宅や介護施設からのニーズも高く、すでに導入を始めている」と話す。
ヤモリ
東京都渋谷区
藤澤正太郎社長(37)
(2024年7月22日12面に掲載)