不動産投資家に向けた情報発信や物件購入・経営サポートなどのサービスを提供するヤモリ(東京都渋谷区)。2月には、DNX Ventures(ベンチャーズ:東京都港区)、三菱UFJ信託銀行(東京都千代田区)など3社から合計10億円の資金調達を実施した。三菱UFJ信託銀行とは空き家賃貸ファンドの組成に向けて協業を開始するなど、これまで流通が難しかった中古住宅の再生を加速していく。
中古住宅の流通を促進
投資家を育成、支援有料会員1700人
2019年11月に設立したヤモリは「不動産の民主化」をミッションに掲げ、不動産投資における基本知識の提供や物件購入・運用・管理のサポートサービスを提供している。不動産を、地主や富裕層などの限られた層が所有するものから、多くの人が所有、運営できる状態にすることで流動性を向上。空き家の増加や老朽物件の放置などの問題の解決を目指す。
サービスとしては、不動産投資に関する情報発信を行う「ヤモリの学校」、クラウド型の不動産経営管理システム「大家のヤモリ」、投資方針に沿った物件購入や運営においてアドバイスをする「ヤモリの家庭教師」などを展開。会社売り上げの中心となるヤモリの家庭教師は、入会費15万円、月額費5390円(いずれも税込み)で提供しており、30歳前後の会社員を中心に累計約1700人の生徒(会員)を持つ。売上高は非公開。
ヤモリの家庭教師では、属性に応じて生徒ごとに投資方針を定め、購入物件を絞り込む。例えば、700万円未満程度の年収で賃貸経営の未経験者の場合、中古の築古戸建てや一棟アパートへの投資からスタートする。生徒は、物件の選定、システムを活用した収支シミュレーションの作成を行った後、銀行から融資を受けて物件を購入し、運営するという一連の流れを学びながら実績を積むことができる。