アプリ導入で「手軽さ」訴求
不動産売買・管理を行うアセットテクノロジー(大阪市)は、売買後に管理を受託することで、設立3年で管理戸数を810戸にまで伸ばした。
オーナーとのコミュニケーションをスマートフォンで対応できるようにし、連絡手段の利便性を向上。投資家系オーナーを中心にリピーターも獲得している。
同社は2021年に設立した。関西エリアと愛知県名古屋市を商圏に、収益不動産の売買仲介と管理を手がけている。売上高は4億5000万円だ。
主な顧客は30~50代の個人投資家。
管理手数料は1戸あたり月額2200円の定額制を採用し、設立から毎年300戸のペースで管理を伸ばす。
特に、同社が差別化ポイントとするのは、コミュニケーションのデジタル化だ。設立当初より宮本泰光社長は業務のデジタル化に力を入れ、早い段階でGMO ReTech(リテック:東京都渋谷区)が提供する「GMO賃貸DX オーナーアプリ」を導入した。
オーナーは、アプリ上で管理物件の収支報告や、物件の稼働状況が確認できる。チャット形式で同社の担当者と連絡を取ることや、原状回復工事の内容の確認・承認も可能だ。
同社はオーナーに対し、スマホ一つで物件の状況を把握できる手軽さを訴求し、売買後の管理を受託。利便性を評価され、既存オーナーからの追加受託につながった実績もある。
オーナーアプリのほかにも、顧客管理システムを導入し、社内の情報管理においてもデジタル化を進めている。顧客管理システムは、いえらぶGROUP(グループ:東京都新宿区)が提供する「いえらぶCLOUD(クラウド)」だ。
宮本社長は「10年以上不動産業界に身を置いてきた。仕事に取り組む中で非効率的なアナログ作業の多さが業界の課題であると感じ、効率化が図れるシステムの導入を優先した。それが管理を拡大するうえでの差別化にもなると感じた」と話す。
今後も管理戸数の積み増しに注力し、24年度中に管理戸数1300戸達成を目標とする。
(2024年8月19日2面に掲載)