一般賃貸と併用し空室対策
管理戸数1万5605戸のライフサポート(愛知県名古屋市)では、マンスリー事業が好調だ。開始5年で、事業売り上げは30倍まで伸長している。
同社のマンスリー事業の目的は空室対策。借り上げた物件の一部をマンスリーに転用する。空室になったタイミングで、普通賃貸借とマンスリーを並行して募集。マンスリーで契約が決まると、家具・家電の一式を取り付ける。
マンスリー単体の売り上げは、2024年7月期で1700万円。同事業を開始した19年7月期と比較し、売り上げは30倍と急成長中だ。
運用する物件数は空室状況によって日々前後するが、契約数は70~80件、マンスリーとして運用する物件は30戸前後で推移する。平均的な契約期間は2~3カ月。中には1年以上の長期で借りている人もいるという。
利用する顧客層は個人7割、法人3割程度。学生やファミリー物件を複数人で借りる法人などさまざまだ。
サブリース事業部の渡邉剛士執行役員は「当社が、マンスリー運用を目的に物件を仕入れる会社と大きく違うのは、空室対策であるという点。法人利用の規定に合致しないアパートタイプでもマンスリーとして運用しているので単価が安い。そのため、利用者の幅も広いのではないか」とみている。
現在、特にマンスリー運用が好調な地域は、中部国際空港(セントレア)近郊の愛知県常滑市だ。同市の物件は、空港の工事関係者らで新型コロナウイルス禍前はほぼ満室状態だった。だがコロナ禍で状況が一変し、賃借人の法人が引き上げて空室が急増していた。
コロナの行動規制の解除以降は、工事関係者らが徐々に戻っているが、普通賃貸借ではなくマンスリーでの契約が急増。予約が埋まり続けている状況だという。
渡邉執行役員は「5年間マンスリーを運用し、ある程度傾向がつかめてきた。集金代行で管理を受託している物件の場合はマンスリーへの転用ができないが、マスターリースであれば空室対策としてできる選択肢が広がる。マスターリースを年間100戸程度増やすことを目指す」とコメントした。
(2024年9月2日2面に掲載)