任意の建物検査と築古物件改装工事に驚き
11月中旬、米国で業務委託をしている不動産管理会社のオーナーM氏が、私の日本出張に同行した。日米での業務拡大に向け、日本の不動産市場や企業風土をはじめ、日本文化への理解を深めてもらう狙いがあった。
東京と地方で異なる関心事
都内入りした翌朝、M氏は多くの通勤客が行き来する駅構内の風景に圧倒された。一方で階段の上り下りでは一方通行で整然と移動する日本人の行儀の良さにも驚いた。多くが勤務先に向けて足早に急ぐ様子を悟ってか、3日目には大柄の外国人が周りと歩調を合わせ人ごみの中に消えてゆく姿にさほどの違和感はなかった。日本では気遣いの姿勢が尊重され周りを見ながらバランス良く物事を進めることが肝要だと、早々に学んだ。
2日目は不動産業者に向けたPM業務のプレゼンを終え、交流会を兼ねた会食となった。賓客への心遣いから会席風の食事の機会も経験したが、日本の高級料理は食す前に、先ずはその盛り付けや飾りつけを目で楽しむことも学んだ。高層ビル最上階から湾岸のタワーマンション群を眺めながら、ここ数年は富裕層を中心にこうした物件が数億円の値上がりを続けている話を聞き、治安の良さや天皇制の歴史も知り、東京はNYやロンドンをしのぐ名実ともに世界一の大都市であるとも実感した。