設立61年の老舗団体から独立
「おおや倶楽部」は「困ったときには助けられ、学習努力して自立し、困った方を助けてあげられる喜びを共に分かち合う団体を目指そう」をスローガンに活動を続けている家主の会だ。
この会の正式名称は『大阪生野共同住宅組合』といい、61年もの長い歴史を持つ。初めは社団法人大阪共同住宅協会の生野支部として活動をしていたが、賃貸経営のスキルの向上を目指し2002年に「おおや倶楽部」として独立した。
糸川康雄組合長は自身も自主管理家主。数々の修羅場をくぐってきた。滞納家賃の集金から裁判、孤独死や自殺への対応、物件で火災が発生したときの処理、コンバージョンや建て替え、事業継承などを自分で行った。こうした経験を役立てたいという思いから、組合員からの各種相談に乗ったり滞納対策マニュアルを作成して組合内で共有したりしている。
組合の活動としては、法律や税務などを学ぶ年6回の経営者懇談会がある。このほか、月1回のペースで物件見学会も開催している。知識と実践をバランスよく学ぶことができるほか、会員同士のつながりができることも会の魅力だ。火災被害に遭った組合員の物件に実際に赴き、危機管理について考える場を設けるなど、参加者が活発に意見交換できる場を提供している。入会金が5000円、年会費は1万2000円。物件の所有、未所有にかかわらず入会可。大阪市を中心に会員は約100人だ。
おおや倶楽部
大阪市
糸川康雄組合長(72)
(2024年11月25日9面に掲載)