技能実習生の寮へ改修
広島県安芸高田市の小原地域で地域活性化事業を行うNPO法人ぷらっとほーむ小原(広島県安芸高田市)は、空き家を活用し、介護老人福祉施設の寮を整備した。寮には、同施設に勤務する外国人技能実習生(以下、技能実習生)を7人受け入れる予定だ。
技能実習生の住まいを必要とする同施設と賃貸契約を締結。地域の福祉事業をサポートしていく。
同法人は小原地域の地元住民10人が2017年に設立した。
空き家を活用したまちづくりや地域のイベント企画、JR芸備線吉田口駅舎の指定管理を担うなど、幅広く地域活性化事業を行う。
技能実習生の寮として改修した空き家は、約10年使用されていなかった築50年ほどの木造2階建て。建物の床面積は635.93㎡で改装後の間取りは7LDK。1階にはトイレやキッチンなどの水回りや交流スペースがあり、居室は1階と2階に合わせて7部屋を整備した。
居室は元々1階と2階にそれぞれ2部屋と3部屋あったが、広めに造られた廊下などの空間を居室部分に取り込み、部屋数や居室の広さを調整した。
襖で仕切られていた空間には、壁や鍵付きの扉を設け全室個室とし、プライバシーにも配慮している。1部屋あたりの広さは、約8~9㎡。一部の床材は畳からフローリングに変更した。
立地は、勤務先まで約150mと非常に近い。同物件の裏にはコンビニエンスストアがあり、吉田口駅まで約20mと通勤や生活にも便利な立地だ。4人の技能実習生が入居している。
今回、物件の取得が難しい同施設に代わり、ぷらっとほーむ小原が空き家の購入と改装を行った。
改修費用は同法人が借り入れた。同施設との賃貸借契約では、家賃に将来の解体費用を反映させた。見込んだ解体費用の回収後は賃料を下げ、技能実習生の定住につなげていきたい考えだ。
同法人は空き家を活用した寮事業を、追加で2件計画中とする。どちらも転貸して提供する予定だという。
地元のネットワークを生かし、転居に伴い空き家となった家の情報を入手した。寮の交流スペースで日本語教室を開く企画も検討する。
同法人には、小原地域への移住希望者からの問い合わせも入るという。明木一悦代表理事は「移住者が増えるよう、空き家を活用した移住支援も進めたい。地域の人口が増え、街の店やサービスが残れば、地域住民の暮らしも支えていける」と話す。
ぷらっとほーむ小原
広島県安芸高田市
明木一悦代表理事(66)
(2024年12月9日18面に掲載)