受託1万戸目指す
運輸事業を祖業に、不動産事業などを手がける遠州鉄道(静岡県浜松市)は、賃貸仲介主体から管理主体へ事業方針を転換した。既存オーナーからの追加受託獲得を目指し、ストック収入の確保を重視していく。
同社の不動産事業では、管理、賃貸仲介、売買仲介を手がけている。商圏は静岡県浜松市、湖西市、磐田市、袋井市、掛川市など。同事業の従業員数は190人だ。
管理主体への方針転換は新型コロナウイルスの発生前から進めており、本格的にかじを切ったのは2020年ごろからだ。不動産事業部の岩井優課長は「元々、不動産テックサービスの普及により、賃貸仲介における非対面化が進むと考えていた。非対面化が進めば、管理会社と入居希望者が直接部屋探しのやりとりを行うことが想定される。管理を主軸に据え、そのような未来に対応していく」と話す。
管理戸数は、中長期目標として1万戸の達成が目標だ。そのために既存オーナーの満足度を高め、追加受託の獲得を重視。不動産事業部を、入居者対応やオーナーへの提案などを行う賃貸管理課と、契約関係やインサイドセールスなどを担当するアセットマネジメント課の2課体制に変更し、組織を再編した。分業化することで、オーナー担当者が提案に集中することができるよう環境を整えた。
「人材教育も強化し、新たな研修を実施している。研修のカリキュラムには、ファイナンスについてや、問い合わせへの対応の仕方などを組み込んでいる」(岩井課長)
(2025年3月10日1面に掲載)