【2022年賃貸業界繁忙期速報】賃貸仲介、減少傾向に歯止め

岡不動産,繁忙期速報

統計データ|2022年03月04日

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 新型コロナウイルス禍が続く繁忙期だが、2021年と比べ、新規契約の減少に歯止めがかかってきている。賃貸仲介の最新の状況を調査した「2022年繁忙期速報(以下、繁忙期速報)」の結果では、成約件数が前年比で減少との回答が前回よりも減った。成約件数が増加したという回答企業も増えており、インターネット集客の強化が効果を上げているとの声が目立った。

ネット集客で成約弾み

 繁忙期速報は、全国の不動産会社を対象に、1月~2月中旬までの繁忙期の動向を調査する本紙独自企画。ファクスとインターネット上でアンケート調査を実施し、401社から回答を得た。回答回収期間は2月8日~2月16日。

 「前年繁忙期(1月~2月中旬)と比較した成約件数動向について」の回答では、「横ばい」が最も多く36%を占めたが、次いで「増加」が32%となった。「大幅増加」と「増加」を合わせた割合は33%と、26.3%だった前回よりも、6.7ポイント増えた。減少との回答は「減少」28%と「大幅に減少」2%を合わせ30%となり、前回調査の37.2%よりも割合が7.2ポイント少なくなった。賃貸仲介の成約状況が、21年の繁忙期よりも上向きになっていると言えそうだ。

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 成約が増加したと回答した132社で最も多かったのは、「インターネット集客の強化」で56社と回答率は42.1%。次いで、「コロナ禍の影響」が39社、「仕入れ物件の充実」が31社となった。埼玉県で158件の仲介を行う岡不動産(埼玉県加須市)では、21年繁忙期と比べ、問い合わせ・来店件数・成約件数がそれぞれ20%ほど増加したという。転居者の多くは都内近郊の千葉県や神奈川県からのファミリー層。コロナによる影響かは不明だが、転勤や収入減による転居が多い印象だ。これまで自社付けを中心に行ってきたが、他社付けにも注力し、新築や築浅物件情報の仕入れを強化したことが奏功。加えて、「LINE」などのSNSの活用で顧客とのやりとりを円滑にすることで成約に繋げている。岡雅英常務は「市内全体で、戸建て賃貸の賃料がやや上昇傾向にある。一方で、単身者向けのはコロナ禍による影響か、学生や法人の動きが鈍いせいでか下降傾向に感じる」と話した。感染対策として、昨年同様オンライン内覧を引き続き行っているという。

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 成約件数が減少したとの回答企業122社の理由は、「コロナ禍の影響」が89社と72.9%を占めた。

 次に多かったのは「法人契約の減少」で31社、「仲介スタッフの減少」24社の順となった。

 京都を拠点に賃貸仲介を行う会社では、22年1月~2月中旬までの反響数、成約数がともに21年同期比で70%減少した。仲介のうち3割を占める学生の反響も7割の大幅減となった。担当者は「学生からの反響数が減少したのはオンライン授業による影響だと思う。遠隔で授業を受けられるようになったことで、大学の近くに住む必要がなくなった」と話す。

 一部で復調している会社はあるものの、コロナ下で変化したライフスタイルが賃貸仲介に与える影響は継続しそうだ。

(2022年3月7日1面に掲載)

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