国内初のZEH水準大型賃貸 高額住戸から成約
環境性能とQOLを向上
代々木参宮橋テラスは、全86戸の大規模な賃貸住宅だ。家賃は約21〜83万円。募集から半年ほどで満室になり、竣工から2年経った今も、退去があってもすぐに埋まる。事業主は総合建設業の竹中工務店(大阪市)で、設計・施工も同社が手がけた。この場所には同社の社宅として単身寮と家族寮があったが、老朽化により閉鎖。運用方法を検討した結果、賃貸住宅物件の開発が決まった。
計画が本格的に始動したのは、2020年の新型コロナウイルス下。新しい住まい方や働き方が模索される中、入居者の多様な拠点となることを事業コンセプトに据えた。同時に脱炭素に貢献できる次世代型健康住宅も目指した。
Low‐Eトリプルガラスや外壁・住戸間の高断熱化などにより断熱性能を上げるとともに、高効率の設備システムを採用。屋上には太陽光パネルも設置した。これにより、基準値から一次エネルギー消費量を75%以上削減する集合住宅の評価基準である「Nearly ZEH‐M(ニアリーゼッチマンション)」認証を取得。非分譲大規模集合住宅としては国内初の取得となった。