東京都八王子市を中心に賃貸管理・仲介を行うエスエストラスト(東京都八王子市)は、管理戸数を6607戸へと堅調に伸ばす。地域密着型の不動産会社として、地元企業とのつながりを強化。商圏で増加する単身高齢者への住まい紹介にも力を入れていく。目指すはエリアでのシェア拡大だ。
高齢者への住まい紹介を推進
エスエストラストの杉本浩司社長は「当社はあくまで八王子を中心に地場密着であることを重視している。多摩川を越えて都心側には出店しないと決めている。商圏でのシェア拡大で管理戸数1万戸を目指す」と語る。
同社は、主に八王子市を商圏とする。賃貸管理のほか、賃貸仲介や売買も手がける。事業構成比は、賃貸管理が70%、賃貸仲介が25%、売買仲介が5%。
管理戸数は2月末時点で6607戸。2024年8月期は、前期比で454戸伸長した。年間の賃貸仲介件数は2161件。自社管理物件のリーシングに重きを置く。本店を構える八王子市を中心に8店舗を展開する。
アパートを企画
管理戸数の増加に寄与しているのは、新築アパートの企画だ。事業を本格的にスタートしたのは20年から。地元の創価大学キャンパスから徒歩5分ほどの土地を同社が取得。杉本社長のマイホームを建ててもらったという地元の千鶴建設(同)に建築を発注した。ポイントは、実際に同大学の学生だったスタッフが内装や設備を決めた点だ。竣工前に満室になり、キャンセル待ちが出るほどだったという。
同社企画アパートは物件名に「NossA(ノッサ)」と付け、シリーズ化する。1棟あたり10〜15戸で販売価格は1億円ほど。表面利回りは土地・建物を合わせて7%程度だ。事業開始から4年で16棟167戸が完成。投資家に土地を紹介・建売販売したのが9棟、地主の土地活用や建て替えは2棟、自社保有物件が1棟、そのほかとなる。100%をエスエストラストで管理受託する。
オーナー向けの会報誌で周知するほか、モデルルームの見学会で実際に物件を見てもらい、案件を獲得してきた。