AI時価査定、推定空室率算出
国内外不動産のデータベースを構築するPropre Base(プロパーベース:東京都港区)は、3月に不動産登記情報にビッグデータを活用した情報を付加するサービス「謄本plus(プラス)」の提供を開始した。導入企業は120社ほどに上る。
同社では保有する国内の42万件の投資用不動産所有者データベースから、顧客の希望条件に合致する登記情報を提供。新たに取得する登記情報に対して、所有権移転時のAI(人工知能)時価査定や推定空室率の算出などの不動産ビッグデータを活用した各種分析を実施する。
所有者の不動産差し押さえ情報や根抵当権の情報の付加によって、売却ニーズの高い所有者や、不動産取引を頻繁に行う所有者の行動特性の把握、そしてどの金融機関との関係が深いかといった情報を収集できる。
これらの付加情報を通じて、顧客は不動産所有者の想定売却益や売却ニーズを把握し、不動産所有者への提案が可能だ。
さらに、顧客が保有する不動産登記情報を整備し、過去の取引における売却益や現在の含み益を査定し、顧客の不動産情報に追加属性を付加する。顧客の情報資産に新たな価値を加えることで、有効な営業ツールになる。
管理会社は同サービスを管理物件の空室対策にも活用できる。同社が収集する各物件の周辺環境、契約内容、設備などの情報をベースとした分析により、賃料アップを実現できるポイントがわかる。エリア内の競合物件との差別化を図る設備が明確になり、管理物件の付加価値を高める最適な提案を行うことができる。利用料は月額3万8500円(税込み)。
「当社は単なる不動産登記情報を超えた価値ある情報を付加して提供している。条件を絞って登記情報を抽出することで、提案内容の絞り込みが可能となり、セールスマーケティングの効率化を図ることができる」(白井久也代表取締役)
25年中に100万件の登記情報を収集する計画だ。
Propre Base
東京都港区
白井久也代表取締役(52)
(2025年4月28日3面に掲載)