所有者、建物情報を取得
TRUSTART(トラスタート:東京都港区)が提供する「R.E.DATA Plus(リデータプラス)」は、不動産登記簿上で所有権が移転した不動産を中心に、多様な検索軸で不動産所有者データが抽出できるサービスだ。
売却や管理受託などの提案を行う場合、適切な時期の一つとなるのが所有者が変わったタイミングだ。R.E.DATA Plusは、こうした情報をいち早く取得するのに効果的なツールとなる。さらに、抵当権の設定、差し押さえなど、権利関係が変わることで申請される登記情報を毎月更新し、データベースとして整理。任意のエリアで権利移転が発生した不動産を特定することも可能だ。特定後は、必要に応じて当該不動産の最新の登記簿情報を、PDFや「エクセル」データで取得することもできる。
建物自体の情報も物件の絞り込みに活用する。アパートやビル、工場、倉庫などの建物の種類に加え、立地、広さ、築年数などの情報から不動産の検索ができる。例えば、任意の駅周辺で築15年のアパートを特定し、大規模修繕やリーシング強化策を提案するなどの活用が見込める。調査したい不動産は、住所や地番による検索のほか、地図上での指定も可能だ。
同サービスは2023年8月にリリース。25年2月末時点で約500社が導入しており、その8割を不動産会社が占める。売買仲介や買い取り再販などの流通事業を手がける会社が売却案件の取得に活用するほか、賃貸管理会社が一棟アパートや築古物件を対象に、管理受託やリフォームの提案先を選定する際に使っている。基本利用料は無料で、登記簿謄本の取得や、営業提案に必要なDM(ダイレクトメール)の作成、封入・発送、反響分析などの代行サービスを有料で提供する。
大江洋治郎社長は「プレイヤー数の増加に加えて、顕在化しているニーズは認知度や資本力のある大手に集まりやすいため、中小不動産会社における案件獲得が難しくなっている。顧客がまだ認識していない課題を見つけ、アプローチしていくことで商機につなげられる」と話す。
TRUSTART
東京都港区
大江洋治郎社長(37)
(2025年4月21日14面に掲載)