運営会社に一棟貸し
不動産賃貸業や分譲マンション開発を手がける和田興産(兵庫県神戸市)は、住宅型有料老人ホーム事業に参入。1棟目は大阪府で購入した新築物件を事業者に一棟貸しする。高齢者向け住宅の需要拡大に対応する新たな事業として展開していく。
新規事業は、物件が開発されている段階から、建設会社や借主となる施設の運営事業者と連携を取り進めてきた。1棟目は大阪府枚方市にある鉄骨造4階建て全48室の「フィオレ・ヴィータ枚方」で、4月にオープンした。居室の広さは13.11~14.49㎡で、居室内にトイレと洗面台、エアコンなどを備える。共用設備は、食堂、一般浴室、介護浴室、洗濯室、トイレなどがある。
2棟目は、摂津市でプロジェクトを進めており、2026年1月に竣工する予定だ。
住宅型有料老人ホームには、専有面積は13㎡以上という基準に加え、専有部の水回り設備が少なくても済むことから建築コストが抑制できる。そのことから、比較的高い利回りを確保できるのではないかと期待する。
「地域社会に必要とされる住宅を供給していきたい。まずは大阪府で実績を積み、エリア拡大も視野に入れている」(濵口昌彦広報・IR課長)
同社は、神戸市を中心に単身者向け賃貸マンションなど約2000戸を所有する。分譲マンション事業では、自社ブランド「ワコーレ」を軸に関西で開発している。
(2025年6月23日2面に掲載)