【電子契約、全面解禁】業界のサービス向上へ前進

国土交通省, セイルボート, 弁護士ドットコム, gooddays(グッドデイズ)ホールディングス, GMOグローバルサイン・ホールディングス

ニュース|2022年05月20日

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 契約書の電子交付が可能になり、不動産取引における電子契約が18日に全面解禁となった。法律にのっとった運用を行うことがトラブル防止において重要だ。「宅地建物取引業法施行規則」改正後の契約に関わる業務上の注意点を、管理会社・仲介会社が把握しておく必要がある。

法務省電子署名関連法にも着目

 国土交通省は18日、重要事項説明(以下、重説)と賃貸借・売買契約時の電子書面交付を可能とする改正規定を施行した。

 今回の業法改正のポイントは、不動産取引の契約時に電子書面の利用が可能になったことだ。重要事項説明書(35条書面)や契約内容記載書面(37条書面)を電子交付することで業務負担や経費削減を見込め、オンライン化による顧客サービスの向上にもつながる。

重説・契約の順序順守

 電子書面交付を行う際の主な注意点は二つ。電子書類の改ざん防止と、重説と契約を行う順番を法律に則して行うことだ。

 宅建業法の改正規定においては、35条書面・37条書面において、法的な有効性を持つために電子署名かタイムスタンプを必須とした。(上図参照)

 現状では、不動産会社が電子契約(電子書面交付含む)を行う際は、電子署名機能付きの電子契約サービスを利用することになる。

 二つ目が、紙の契約書と同様に重説から契約までの手続きの順序を厳守することだ。電子契約サービスを利用した際、不動産会社は顧客に対し、データで35条書面と37条書面の一括送信も可能となる。この時、顧客が重説を受ける前に契約書に電子署名してしまうと宅建業法違反になってしまう。

 電子契約サービス「キマRoom!Sign(ルームサイン)」を提供するセイルボート(広島市)の西野量社長は「サービスを提供する企業側が宅建業法と契約手続きを正しく理解し、システムの構築を進める必要がある。書面を一括で送るものの、重説後でなければ署名ボタンを押せないような制御をかけていく」と話す。

電子署名の法律も注意

 電子契約を利用する際のリスク対策として契約者の本人確認をする「2要素認証」(上図参照)を採用すべきとの声も上がる。裁判の際にも証拠として本人確認を行ったことが法的に認められやすくなる。

 2要素認証の必要性については法務省が2020年9月に発表した「電子署名法第3条」にて定められている。

 電子契約サービス「クラウドサイン」を提供する弁護士ドットコム(東京都港区)の橘大地取締役は「不動産業界以外での電子契約時には、2要素認証が行われることが当たり前。不動産会社やサービス提供企業は法務省の電子署名関連の法律にも目を通す必要性がある」と注意喚起した。

事前承諾が第一歩

 電子契約の際には、貸主や借主の事前承諾が必要となる。電子署名サービス「IMAoS(イマオス)」の開発に携わったgooddays(グッドデイズ)ホールディングス(東京都品川区)IMAoS開発責任者小野誠人氏は「借主には、申し込みや審査結果回答のタイミングで承諾を得る運用になるだろう。家主に対しては、管理会社が貸主から契約締結に関する代理権委任契約を結び、家主に代わり電子署名する方法が導入しやすい」と話す。

 電子契約サービス「電子印鑑GMO(ジーエムオー)サイン」を提供するGMOグローバルサイン・ホールディングス(東京都渋谷区)電子契約事業部の牛島直紀部長は「部屋探しを行う顧客にとって確実にサービス向上となる。複数回の来店の必要がないという点は、差別化にもなるだろう」と話す。

 同社のサービスへの反響は、省令公布の4月27日以前と比較し、ゴールデンウィーク明けには問い合わせが4倍となった。電子契約対応へ不動産会社も動き出している。(齋藤)

(2022年5月23日1面に掲載)

おすすめ記事▶『【不動産取引】5月18日電子契約全面解禁、電子書面の交付が可能に』

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