入居者の高齢化に対応
全国で約1400団地70万戸を管理する独立行政法人都市再生機構(以下、UR)は、複数の見守りサービスの導入や団地を巡回する相談員の配置で、入居者の高齢化に対応する。
URの管理物件では、単身高齢入居者が年々増加している。65歳以上の単身者の割合は、2010年に入居者のうち14.9%だったが、20年には23.2%まで上昇。単身者に限らず契約者が65歳以上である世帯の割合は48.6%と約半数に上る。管理物件における孤独死の数は非公開だが、増加傾向にあるという。
URが講じる高齢入居者向けの施策は、大きく分けて二つある。一つ目は、複数の見守りサービスの導入だ。居室内にセンサーを設置するタイプや電球の点灯で異常を検知するタイプなど3種類を用意してきた。26年4月からはサービスを追加・入れ替えて4種類を提供する。サービス内容は、異常検知時の通知のみのものもあれば、緊急時の駆け付けサービスが付いたものもある。利用料金は月額990円から3630円、初期費用は0円から1万6500円(いずれも税込み)まで。
契約は、入居者とサービス提供事業者が直接結ぶ。URは見守りサービス契約を入居条件とすることはできない。そのためURは契約時に入居者に案内をしたり、団地の掲示板にサービス案内のチラシを掲示したりすることで契約を促進している。
ウェルフェア推進部企画課の藤原暁主幹は「それぞれの入居者に合った機能・費用のものを選んでもらえるよう、ラインアップを充実させている」と話す。24年度には、1000件強の新規契約があったという。
二つ目は、大規模団地への「くらしつながるサポーター」の配置だ。くらしつながるサポーターは団地の管理サービス事務所に常駐し、団地の巡回や入居者からの健康や住まいに関する相談の受け付けを行う。入居者の希望に応じて、週に1回架電する「あんしんコール」も実施。そのほか社会福祉協議会や地域包括支援センターとの定期的な情報交換や、入居者向けのイベントも行っている。
くらしつながるサポーターは、URの賃貸住宅への入退去業務や入居者からの相談対応を行うURコミュニティの社員が担当する。25年3月末時点で全国に190人が配置され、約280団地をカバーしている。
くらしつながるサポーターの活動の様子
「くらしつながるサポーターは、入居者に介護が必要になったり、認知症の症状がみられるようになったりした際に地域の専門職につなぐのが主な役割だ。地域の社会福祉協議会や地域包括支援センターとの関係性は重要。くらしつながるサポーターを設置する団地は今後も増やしていきたい」(ウェルフェア推進部企画課・野原幸樹主幹)
(2026年3月2日2面に掲載)




