<リレートーク>オーナー開拓に効く! 不動産ビッグデータ×テクノロジー最前線【賃貸住宅フェア2025 東京セミナーレポート】
Studio LOC,TRUSTART
管理・仲介業|2026年04月24日
講演者
Studio LOC
長田幸洋社長
募集賃料設定の差 売却価格にも影響
この賃料インフレ時代の中で、管理会社はデータに基づいた査定や提案を行っていく必要がある。前回募集時の金額をなぞるだけでは、値上げ可能な場合の機会損失を生むし、逆に高すぎれば入居率を損ねる。賃料査定のわずかな差は、収益還元法による売却価格(資産価値)にも数百万単位で影響を与えるため、適正賃料の設定は極めて慎重に行うべきだと考える。
データに基づく賃料査定の具体手法としては、まず類似物件の最新データを抽出する。立地、面積、築年数が近い物件をポータルサイトや自社システムから収集し、基礎的な賃料を算出する。そこに設備や内装、外観といった付加価値をプラス・マイナス要素として反映させ、的確な数字を導き出す。
昨今、オーナーはニュースなどの影響で「賃料は上がるもの」というイメージで増額を求めてくることも多いが、地域性や築年数、設備状況などにより実際には困難なケースも多々ある。その際、データに基づいた根拠のある説明ができれば、オーナーの納得感は高まる。一方で、実際に賃料アップが可能な物件は積極的に取り組むべきだ。契約中の入居者との合意形成といった煩雑な実務を懸念し、二の足を踏む管理会社も少なくない。しかし、管理戸数の規模にかかわらず意欲的な管理会社は、オーナーの「収益最大化と資産価値向上」を支援するという本来の役割に立ち返り、この課題に真摯(しんし)に向き合っている。
適正賃料の設定にあたっては、まずは周辺の類似物件の最新データを正確に把握することから始めてほしい。高額なツールの導入は必須ではないが、有償の査定ツールはデータの正確性や網羅性に優れ、そのまま提案に使えるレポート出力機能などメリットも多い。データという武器を使いこなし、オーナーへの提案力を高めてもらいたい。
講演者
TRUSTART
大江洋治郎社長
家主情報の収集 サービス活用、効率化
不動産オーナーの情報集めは、これまでは登記簿を調べる手法が主流だったが、それではコストと時間がかかる。これを効率良く得られるのが不動産ビッグデータだ。
不動産ビッグデータの特徴は三つ。まずは、公開されている最新情報が得られるということ。これは公的に登録されたものなので、正確で正しい情報となっている。次に、大量のデータから登記データを獲得するサービスを使えば、物件の蓄年数や構造、所有者の属性といったさまざまな条件設定をして、ピンポイントに狙ったデータを得られる。最後に、蓄積されたデータを永久的に使えるという点。これまでは、せっかく集めた情報もデータ化されず後から調べ直しになったり、すでに得ている情報を重複して獲得して二度手間になったりといったことがあったが、そのようなことを避けられる。
オーナーにアプローチするための情報を得るデータの切り口としては、アセットのタイプが挙げられる。集合住宅以外に、ビルや工場、倉庫などのタイプごとに絞り込んで検索できる。また物件の広さや用途地域、木造か鉄筋かといった構造面、ハザード情報などでも区切ることが可能だ。
例えば用途地域であれば商業や近隣商業といったあたりを狙っていくという話ができる。ハザード情報なら、水害が想定される地域であればその対策についての提案ができるだろう。これらをしっかり抑えて情報を集め、オーナーにアプローチしていけば成果につながっていくと考える。
(2026年4月20日17面に掲載)





