2022年にTOKYO PRO Marketへの上場を果たした地場不動産会社のアンサーホールディングス(以下、アンサーHD:福岡県北九州市)。賃貸仲介事業の抜本的な組織の再構築に着手し、さらなる成長を狙う。
毎日全社にメッセージ、人間力育成
リロGのノウハウ全面採用
年間1000件超の賃貸仲介を行うアンサーHDは、賃貸仲介の専門事業者との提携で、ノウハウ共有や人材育成を強化する。
タッグを組んだのは、福岡県内で15店舗を展開するルーム(福岡市)だ。同社の母体であるリログループとは25年3月に資本業務提携を締結。同年10月にルームと業務提携を交わした。これにより、北九州エリアにおいてはルームの店舗看板をすべて「アンサー倶楽部」に変更。同エリアで知名度の高いアンサーHDの集客力を貸す形だ。
一方業務については、ルームが持つノウハウと仕組みを全面的に採用することで、賃貸仲介事業の質向上を図る。アンサー倶楽部の屋号で展開する店舗はすでに3店舗あり、今後も店舗数の増加を計画している。
アンサーHDでは、賃貸仲介事業の人員体制の変更や業務再編が課題となっていた。マネジャー層の育成の必要性を感じていた中、店舗の人材育成を含めルームの仕組みを踏襲できることで人的コストの軽減と業務整理を実現した。
同提携の目的には、経営上のリスクヘッジへの思いも込めていると三谷俊介社長は語る。「企業の継続と社員の成長を考え、プライム上場企業であるリログループとの提携による経営の安定感を確保した」
売買・買い取り再販で売上けん引
同社が成長のアクセルに掲げるのは、売買仲介・買い取り再販事業だ。26年6月期の売買仲介と再販のための買い取り件数については、計画に対し上振れの着地を見込み、好調に推移する。買い取り再販については、リフォーム期間に左右され実績数に波が出やすいため、仕入れの全体量を増やしていく考えだ。北九州・福岡エリアで売買仲介・買い取り再販店舗の新規出店も目指す。
三谷社長は「売買仲介・買い取り再販事業の仕入れ力のポイントとなる、顧客に対する認知度は、高まっている感覚はある。今後強化するのは社員の営業力。そして営業力とは人間力だ」と話す。三谷社長は、経済界の著名人や偉人などの格言や道徳的な内容を盛り込んだメッセージを、毎日全社員にメールする取り組みを欠かさないという。組織人としての意識や人間性を育む狙いがある。「やはり、ビジネスにおいて大事なことは、時代が100年、1000年たっても人間力ではないか」
重要な柱の一つである管理事業においては、26年3月末時点で6000戸超に到達。一方で純増戸数は計画に対し伸び悩んだ。この実績を踏まえ、新規受託営業のほか、管理解約の阻止も重視する方針だ。ここでも三谷社長が大事にするのは、オーナーと良好なコミュニケーションを取ることができる人間力だ。「既存オーナーに対し、定期的な訪問などを通じた関係構築に注力することで、管理解約の減少を目指す。管理物件の増加は、売買仲介事業の伸長が入口となる側面もあるため、両事業の連動を強化していく」
今後、異業種のM&A(合併・買収)を視野に入れ、新規事業の立ち上げを模索するなど、多様な手段で企業規模の拡大を図るとした。
(齋藤)
(2026年4月20日20面に掲載)





