地域のテナント仲介に特化

タン・コンサルティング

管理・仲介業|2026年06月13日

タン・コンサルティング(リマックスナウ) (左) 中里 健治 氏  (右) 丹 信貴 社長

 タン・コンサルティング(兵庫県神戸市)が運営する不動産仲介エージェント「RE/MAX」の加盟店、リマックスナウは、テナント仲介に特化して事業を拡大、RE/MAXJAPANネットワーク内の賃貸部門売上高1位、総合部門売上高2位の実績を持つ。

不動産未経験者が活躍

エージェント制 21人が所属

 タン・コンサルティングの丹信貴社長は、テナント仲介に特化して不動産業界でのキャリアを重ねてきた。アルバイトで入社した会社がテナント仲介を専門としていたことをきっかけに、2010年の独立以降も、関西圏のテナント仲介で事業を拡大した。

 タン・コンサルティングが加盟するRE/MAXは、米国に本部を置く不動産仲介業のフランチャイズチェーン(FC)だ。エージェント制を採用し、個人事業主としてオフィスと契約を交わしたエージェントが仲介事業にあたる。オフィスを運営するのはFC本部と契約する「ビジネスオーナー」だ。ビジネスオーナーがそれぞれの地域でオフィスを運営し、個人事業主であるエージェントがオフィスとエージェント契約を交わす。丹社長は、リマックスナウを運営するビジネスオーナーだ。

 現在、同社には21人のエージェントが所属する。丹社長は顧客対応を行わず、エージェントの業務支援に専念する。ビジネスオーナーはエージェントが毎月支払うエージェントフィーと、不動産取引成約時に発生する手数料売上げの一定割合(エージェントの成果報酬は70%を基本に、エージェントのセレクトする報酬分配率60~80%の間で分配)が利益となる仕組みだ。

元パティシエも活躍 飲食店誘致で実績

 リマックスナウと契約するエージェントの中里健治氏は、パティシエとして兵庫県西宮市内で洋菓子店2店舗を経営していた経歴を持つ。50代で親の介護を見据えた働き方を模索し、宅建士資格を取得。22年に不動産事業は未経験ながらリマックスナウと契約した。

 半年間は周りのスタッフを見て、不動産業における仕事の獲得の仕方を学んだ。その後、優良顧客との出会いから着実に実績を重ね、25年度はロードサイドの大型複合施設の仲介契約などで1620万円の手数料収入を得て、RE/MAXジャパンの賃貸部門売上高で全国1位となった。

 中里氏が契約獲得を継続するきっかけとなったのが、関西地区で多くの不動産を所有するオーナーとの出会いだ。X(旧ツイッター)を通じた不動産関係者の交流会を機にオーナーと知り合った。その後、オーナーが神戸市に所有する複合施設内のテナント物件について相談を受けた。オーナー自らFCに加盟してパンの製造・販売事業を始めたが、収益が出ず店舗を閉じ、その後の処理に手間取っていた。

 オーナーから「居抜きでパンの製造・販売をやりたいと考えるテナントを探してほしい」と相談を受けた。開店して2年しか経過しておらず、店内の設備はどれもきれいだった。だが、居抜きで事業を始める店主を探すのは至難の業だった。

 中里氏は自身のパティシエの経験から、店舗に残された設備の性能の高さを理解していた。そこで、厨房設備をレストランなどの業態に売却した後に、一般的な空きテナント物件として借り手を探す方針を提案した。結果的に、淡路島の島産品を使ったピザ等加工品の通信販売を行う企業に設備を売却し、その後、焼き肉店をテナント誘致した。原状回復費用を抑えることができた一連の仕事を通じ、中里氏はオーナーの信頼を得た。

 その後、オーナーから多くの相談を受けるようになった。25年は、加古川市のロードサイドにある600坪と770坪のテナント物件で、大手生鮮スーパーや、フィットネスジムなどのテナントを誘致した。

 中里氏は、短期的な仲介手数料を追わず、元経営者の視点からオーナーの資産価値最大化に注力する。エージェント制の自由度を生かし、ノルマに縛られず長期的な視点で提案できることが強みだ。また、店舗経営に従事してきた自身の経験も武器にする。立地特性を見極めた区画割や設備譲渡など物件を探すテナントの要望を理解し、オーナーとテナント双方に積極的に関わり、誘致につなげた。

リマックスナウのオフィス

リマックスナウのオフィス

独立した個人とコーチという関係

 丹社長がリマックスナウを立ち上げた背景には、従来型の組織運営への葛藤があった。社員を雇い売り上げを追うモデルに限界を感じていた。雇用した社員に売り上げ目標を課すマネジメントが合わなかった。

 創業から10年がたった頃、RE/MAXに出合った。社員をマネジメントするのではなく、仲間として共に成長を目指すエージェント型のビジネスモデルを知った。その後、新型コロナウイルス禍の真っ最中の20年にリマックスに加盟した。丹社長がエージェントとの関係で実践するのは「スポーツクラブのコーチングのような位置付け」だという。

 リマックスナウには20~60代のエージェントが所属し、中心は50代だ。年間約60人の個人事業主から応募が集まり1割程度の人と契約する。新規入会するエージェントのうち不動産仲介の経験者は1割で多彩なキャリアを持つ人が活躍する。

 丹社長は新人の現場同行や専門性の発掘を担うコーチに専念する。ビジネスオーナーはそれぞれのエージェントが希望するビジネスモデルを成長させるためにサポートする。個々の自律性を促すこの仕組みが、特に中高年の再挑戦を支える一助となっている。28年には、大阪で2拠点目の出店を計画している。テナント仲介のプロ集団として、強固なネットワークを拡大する方針だ。

(2026年6月8日15面に掲載)

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