オリックス銀行(東京都港区)は、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の賃貸住宅の普及に向け、デベロッパーとの提携を強化する。
愛知でデベロッパーと提携第1弾
9月29日には、名古屋圏内で賃貸住宅の開発を行うフィリックス(愛知県名古屋市)と共同で記者会見を行い、愛知県で第1弾となるZEHアパートへの融資について発表。融資で金利を優遇することにより、ZEH基準を満たす賃貸住宅の供給を後押ししていく。販売は湘建(神奈川県横浜市)が担当する。
対象となった物件は、フィリックスが開発した、名古屋市内の1棟9戸のアパート。住宅性能を高め、太陽光発電設備も搭載したことで、住宅の1次エネルギー消費量の76%を削減。Nearly(ニアリー) ZEH基準を満たす。物件の発電分については、オーナーの売電収入となる。
同物件の購入にあたって融資を受ける個人投資家に対しては、オリックス銀行が0.05%の優遇金利を設定した。
フィリックスは、年間70~80棟の賃貸住宅を開発する。同社の水野秀則社長は「2023年度は8~10棟のZEH物件を開発していく」と話した。オリックス銀行との提携により、個人投資家へのZEH賃貸の提供に弾みをつける。
オリックス銀行は、6社のデベロッパーとの提携で、ZEH賃貸住宅6棟への優遇金利による融資を行うことが決まっている。同行の村岡久専務は「ZEH化に伴うコスト増に対し、金融機関として個人投資家を支援していく」とコメントした。
(2022年10月10日1面に掲載)