システム開発を手がけるエーエスシー(東京都大田区)は、報告書作成システム「物件の報告」を2020年より提供している。
音声入力や写真撮影し現場で作成
物件の報告はスマートフォンやタブレット、パソコン上で「建物巡回点検報告書」や「退去立会報告書」をはじめとしたさまざまな報告書を、音声入力などを用いて現地で作成する仕組みだ。地図機能も搭載し、巡回の際にナビゲーションとして活用することもできる。月額利用料は1アカウントにつき8800円(税込み)だ。
投資物件の建築請負や管理事業を行うハイトス土地建物(神奈川県厚木市)は、年間で15~20回ほど提出する定期清掃報告書などを同サービスで作成している。従来は外部の制作会社に依頼していたが、委託費の値上げを受け、同サービスを導入。結果的に作成コストの削減につなげた。
7月にはオプション機能である「オーナーオンライン報告」の本格的な利用を開始した。クラウド上に報告書をアップロードすることでオーナーが閲覧できるようになるサービスだ。管理を受託する約2000人のオーナーのうち、およそ4割がクラウド上で報告書を受け取っている。紙の報告書の郵送をウェブ上での送付にした結果、1回の報告書発送につき、約40万円の経費削減につながっている。
ハイトス土地建物渉外課の直井優美課長は「今後は退去立ち会いの報告書など、活用の幅を広げていきたい」と語る。
(2022年11月7日8面に掲載)