賃貸物件の仲介・管理事業などを行う加藤屋商店(千葉県流山市)は、2018年の秋に自社ホームページのリニューアルを行い、来店客の半数を自社ホームページから集客することができた。
地域のイベントや飲食店紹介
リニューアルした自社ホームページには、全社員が女性である同社の特徴や仲介エリアとしている千葉県流山市の地域情報を発信するためのブログを新設した。リニューアル前は、物件紹介に注力していたが、月間PV数は1000件ほど。ほとんど集客効果がなかったため、大手の不動産ポータルサイトも利用していた。
だが2年前、藤原八千代社長は来店客の多くが女性であることに気づく。流山市では10年前から子育て世代に配慮した取り組みを実施していた。駅に併設する施設に子どもを預けておけば保育園までバスで送迎するシステムなどがある。電車で通勤する子育て世代が住みやすい環境が整っていることから、同社のターゲットを女性に絞ることにした。自社ホームページでの物件紹介をやめる代わりに全3人の女性スタッフが仲介エリアである流山市の出身であることをアピールするほか、新設したブログで地域のイベント情報や飲食店を紹介し地元の魅力を発信。子育て環境を気にする女性に向けた取り組みが奏功し、自社ホームページの月間PV数は8000件と8倍に増加。年間150人の来店客のうち6割がファミリーで、成約率は80%と好調だという。現在、自社ホームページからの顧客が半数、残りは紹介と飛び込みの顧客が中心で、大手ポータルサイトはほとんど使用していない。自社ホームページの維持費は毎月約3万5000円。ポータルサイトに毎月支払っていた掲載料の6万円より安く、コストを抑えた集客ができている。