2019年10月に厚生労働省が発表した「新規学卒者の離職状況」によると、不動産業では、大卒で3年以内の離職率が34・2%。平均より2・2%高い結果となった。管理・仲介各社からは、人材採用難とともに定着率の低さにあえぐ声を聞く。短期の離職を防ぐために行っている他業種での取り組みを取材した。
不動産業界専門でコールセンターやライフライン契約の取次請負業務を行うLIFEAP(ライフアップ:東京都新宿区)では、評価制度に社内専用の仮想通貨を活用し、従業員の定着に効果を出している。2018年6月に創業し、現在のアルバイトスタッフは30人ほどで、これまでの離職率は約20%。大学卒業を機に退職したスタッフと入社1カ月未満での退職を除くと、離職率は0%だという。「コールセンター業務はどうしてもストレスがたまる仕事であるため、創業前に従業員の満足度を高める仕組みを考えた」と同社の久保寺雅樹取締役は話す。