財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)は、賃貸住宅管理の景況感調査「日管協短観」を開始、初回の調査結果を発表した。今後、会員賃貸管理会社を対象にしたアンケート調査を年2回のペースで実施していく。調査項目は、入居者募集広告の反響、入居率、滞納率、平均居住期間など多岐にわたる。 第一回目となる「日管協短観」は、12項目にわたるアンケートを実施。昨年10月から今年3月末にかけての景況感について、会員管理会社930社中、26・3%にあたる245社が回答した。
調査の結果、賃貸住宅を探す入居希望者はインターネットを経由している実態が明らかになった。反響数では、「インターネット・メール」が「やや増えた・増えた」は56・2%にのぼり、「電話」「直接来店」を大きく上回る結果となった。「直接来店」は、46・3%の企業が「やや減った・減った」と回答した。
不況の影響から、全体的に来店客数が減少したことも明らかになった。客層別の調査では、「法人」が59・6%で減少、「学生」も52・3%で減少した。一方、首都圏では「外国人」の来客数が28・0%の企業で増加、関西圏では「高齢者」が27・6%増加するなど、新しい入居者マーケットが拡大する兆しが見て取れた。
入居率は、「集金管理を含む委託管理」が88・5%、サブリースは91・0%となった。全般的に、サブリースの入居率が一般管理を大きく上回る結果となった。この一般管理とサブリースの入居率の差は、首都圏よりも関西圏の方が乖離が大きいことも明らかにとなった。
今回の調査では、これまで明らかになされなかった滞納率についても触れている。「月初全体の滞納率」は全国で9・2%。「月末での1カ月滞納率」は4・0%、「月末での2カ月滞納率」は3・0%となった。なお、この数値は滞納保証会社からの代位弁済分は未収として扱っている。また、保証会社利用率は全国で87・7%(管理会社ベース)となった。
調査結果を受け藤之原正秋副会長は、「景気の影響から他の業界同様悪い数値が出ているが、賃貸管理業界は遅行性があり、さらに悪化することが懸念される」とし、さらに賃料・入居率が悪化するのではとコメントを発表した。