一般社団法人日本不動産研究所(東京都港区)は24日、ワンルーム投資の期待利回りが過去最低水準を更新したとの調査報告を発表した。
東京都の城南地区は今年4月調査時より0.1ポイント減少の4.6%となり、同社が調査を開始した2004年からのデータで最も低い値となった。
調査はデベロッパーや不動産会社など205社を対象に行い、東京都城南地区・城東地区、札幌、横浜、名古屋、京都、大阪、福岡など13地域の10月1日時点の期待利回りをまとめた。
今年4月のデータと比べると、札幌と仙台が横ばいだったものの、東京を含む10地域はすべて0.1~0.2ポイントの減少となった。
最高値は広島の6.2%だった。
調査を担当した研究部の愼明宏氏は「ファンドバブル崩壊後に高まった利回りが下がり続けている。底をついたとの見方が強いが、今後も下がるとの意見も強く、先が見えない」と分析した。
城南地区は2009年に直近10年間でのピークとなる6.0%を記録して以降、年を追うごとに下落を続けていた。
14年10月には、08年4月に記録した最低値5.0%に並び、以降は調査を行うたびに最低値を更新している。