三菱地所ハウスネット(東京都新宿区)は8日、希望者が単独で内覧できるシステム『スマート内覧』を導入し、どのような曜日・時間帯に利用されたかなどの調査結果を公開。内覧件数は仲介店が休みの多い火曜日が18%、水曜日でも15%と一定数を獲得し、スマート内覧の未導入の物件に比べ1.2倍となったことがわかった。
調査を行ったのは2016年10月~17年4月で、同社が東京都23区内で管理する賃貸マンション『パークハビオ』など13棟のうちの空室が対象。
スマート内覧とは、ITベンチャー企業ライナフ(東京都千代田区)のIoT電子錠『NinjaLock(ニンジャロック)』と、物件ごとの公開ウェブカレンダーを連動させることで、希望者が営業担当者の立ち会いなしで内覧できるサービス。仲介店舗が利用する場合も管理会社との鍵の受け渡しが必要ないため、業務効率化につながるメリットがある。
個人が利用する場合、インターネットで事前に予約をした入居希望者が直接現地に行き、スマートフォンでニンジャロックを解錠することで内覧ができる。
三菱地所ハウスネットの篠原靖直企画部長は「今回の調査で、仲介会社に頼る件数を減らすと同時に、鍵の受け渡しなどにかかる時間的なコストの削減にもつながることがわかった。また、どの部屋にどのような属性の人が内覧したかもわかるので、今後の部屋づくりの参考にもできる」と話した。また、個人が単独で内見した場合、「一人で入居するかしないかの判断ができる」と答えた人が83.3%に上ったことに対し、「選ばれる物件となるよう注力していきたい。また、同行者がいなければ判断できないと考える人に対しては、オンラインチャットを取り入れて成約につなげる方法なども検討していきたい」と話した。