東京都世田谷区代沢に立つ『15Rooms(ルームズ)』は、15の個室が集まって造られたシェアハウスだ。共用部に個室が見える小窓を設け、入居者の人となりがさりげなく分かる造りとなっている。『Facebook』で募集をかけ、竣工後約1カ月半で満室となった。
天井高約3.5mのLDが特長のシェアハウス
『15Rooms』はもともとIT企業の寮として計画していたが、途中で変更しシェアハウスとなった建物だ。そのためIT企業に勤める若い人たちの情報交換ができる場所というイメージも内包して設計されている。たとえば外階段から3階に上がれば共有リビングダイニングを通らなくても個室に入れるプランを設けることで、事務所や打ち合わせスペースとしても使える将来的な選択肢を持たせた。
閑静な住宅街にある同建物。あえて窓を隣家に対して平行とせず45度の角度を設けることで隣家住民からの目線に配慮している。窓に角度をつけたことで生まれた三角形のバルコニーや凹凸のあるデザインが印象的な外観となった。隣家への圧迫感を軽減しつつ、各住戸の開口部はしっかりと確保した住まいだ。
シャワー室やトイレ、洗濯室などの水回りは男女別々の場所に設置。さらに共有のリビングダイニングは、天井高約3.5mとし開放感も大切にした。
また、階段と共有リビングダイニングのキッチン上部には、個室の様子がうかがえる小窓を設け、入居者の人となりが分かるような住まいを目指した。
「建物に閉じこもってしまい、特殊なコミュニティーが生まれるような空間にはしたくない」と語ったのは、三家大地建築設計事務所の三家大地代表だ。
そのため共有空間だけではなく、リフレッシュできるように個室の充実にもこだわった。バルコニーに出る扉の前にも家具が置けるように、2段階式のドアを採用。腰高より上部の窓だけ開けることもドアとして全て開放することも可能だ。鉄の表面に木材が貼られたもので同物件のために作られた。