中京圏の中核都市、名古屋の中心「名古屋」駅のある愛知県中村区に『Il Casa Nagaosa(イルカーサナガオサ)』は立つ。外・内装に石材をぜいたくに用い、各住戸のデザインも工夫を凝らし、競合相手のいない差別化に成功した賃貸物件だ。
SNS映えするリビングが好評
随所に用いた輸入石材やタイル 各住戸異なる内装が出す特注感
『Il Casa Nagaosa』は、名古屋市営地下鉄東山線「中村公園」駅から徒歩9分の場所に立つ。名古屋市の商業地区である栄エリアにも至近距離の立地だ。
同物件はトップメゾン(愛知県碧南市)の「ラグジュアリーモダン」をコンセプトとした、企画型賃貸アパート・都市型3階建ての木造ツーバイフォー住宅の第1弾。
特徴は、輸入石材やタイルを外壁や内装にふんだんに用いている点だ。「従来、アパートは紋切り型のデザインが多いが、バリエーションに富んだ木造賃貸住宅にしたかった」と企画設計を手掛けたトップメゾンの石川一郎社長は話す。
101号室の「オトナ(大人)モダン」なリビング。石積み壁をイメージし、天然石を用いたアクセントウォール
外壁の一部に御影石を採用。共有部の通路はフローリング調のタイル、壁にはアンティークレンガを貼り、重厚感を出した。各住戸の内装にもこだわり、社内のコーディネーターが全戸異なるコンセプトでデザインしている。例えば、101号室はシックなブラウンを基調とした「オトナ(大人)モダン」、201号室は主張しすぎない色柄で統一した「ニュートラル」、202号室はキッチンやアクセントウォールに濃紺の青を用いた「クラシックブルー」といった感じだ。
「クラシックブルー」がコンセプトのリビング。キッチンに窓を設け換気に配慮した
各住戸の洗面所やトイレ、リビングの壁紙は全て変えた。リビングの壁には、コンセプトに合わせたアクセント壁紙だけでなく、輸入石材やレンガ調タイルを貼った住戸タイプもある。全戸角部屋の2面採光。2口コンロのシステムキッチンに窓が設置されており、換気に配慮した。洗面所やトイレの床に大理石調タイルを使用している住戸もある。
101号室のトイレ。床は大理石調タイルを採用
入居者からは「ステータスを感じる」「彼女を呼びたくなる」といった感想を聞くと管理会社は話す。コロナ禍による「おうち時間」が増え、SNSの投稿も室内ですることが増えている中、石積み壁をイメージした天然石を用いてアクセントウォールなど意匠を凝らしたリビングは、「映える」部屋として入居者に好評だという。
エントランス部分。外壁は御影石を使用している
家賃は相場より2000円から4000円ほど高い。社宅として3戸、一般の入居者が2戸、残り1戸は同社がモデルルームとして借り、竣工前に満室となった。入居者は25~45歳の年齢層。構成はカップルが1組と、会社員の単身男性が大半だという。建物内外の意匠は、女性のコーディネーターが監修しているが、シンプルモダンな外観が男性に受けたようだ。建物のみの利回りは11%。
共有部。床にフローリング調タイル。随所にタイルを採用して高級感を演出
仲介業者向けポータルサイトの週間アクセス数は通常の3倍という反響ぶりだったという。仲介業者からも注目される人気物件だ。
【企画設計者の声】
競合相手のいない賃貸
木造賃貸で外壁に石材や、トイレ・洗面所の水回りや内壁にタイルを使う物件は珍しく、競合シリーズはないと思う。外壁の石材は金属パネルを用い、石材を支える工法で、地震でも剝落の恐れがなく安心だ。同物件の建設と同時期に、注文が入った学生賃貸も即満室となった。今後東京でも展開していく予定だ。
トップメゾン
愛知県碧南市
石川一郎社長(62)
【物件データ】
所在地:愛知県名古屋市中村区
構造:木造2×4(ツーバイフォー)工法、3階建て
住戸数:6戸
竣工年:2021年3月
部屋タイプ:1LDK(33.7~40㎡)
家賃:6万8000~8万2000円(共益費込み)
(6月7日13面に掲載)
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