仲介・管理会社ノート 仲介編④ ~前編~

リライフ, アパートセンター

企業|2021年09月30日

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19年に開設したデータセンター

 不動産会社のメーン事業になることも少なくない賃貸仲介事業。各社は来店率や成約率の改善をどのように図っているのか。今号では取材した4社の仲介事情を、データを交えて紹介する。

リライフ、自社開発システムで業務改善

反響獲得数を個人単位で把握

 年間賃貸仲介件数3000件のリライフ(東京都千代田区)は、自社開発の業務管理システムを利用し、個人単位で反響獲得数や来店率などの営業実績をリアルタイムで把握することで業務改善につなげ、成約率の向上を図っている。また、店舗数の増加で2021年の賃貸仲介件数は1000件増の4000件を見込んでいる。

 売上高は非開示。内訳は賃貸仲介が70%、売買仲介が10%、リフォームが10%、建築請負5%、賃貸管理5%。

 従業員数は100人で、賃貸仲介担当者はパートを含めて75人。

 商圏は東京都内。物件は単身者向けが45%、DINKS・カップル向け30%、ファミリー向けが25%で、顧客の属性は社会人が60%、学生が30%、法人が10%。

 賃貸仲介事業の売上高は非開示。内訳は仲介手数料60%、AD30%、そのほかが10%。

 専任媒介が10%、一般媒介が90%。仲介営業担当者1人当たりの年間契約件数は平均100件。月間平均契約件数は繁忙期の1~3月が12件。4~12月が7件。

 仲介手数料は家賃1カ月分で、平均成約価格は17万円。都内で店舗周辺の物件を主に取り扱っているため、成約価格は比較的高い。

リライフの会社情報まとめ

 反響獲得方法はポータルサイトが7割、自社サイト2割、法人提携が1割。ポータルサイトは、ユーザーの認知度が高いため、14年の創業期から「SUUMO(スーモ)」と「HOME'S(ホームズ)」の2社を利用している。掲載物件数は年間約9万件で、ポータルサイトの反響獲得率は15%だ。自社サイトの反響獲得率は3%となっている。

 2年半年前に新潟県佐渡市にデータセンターを設置し、物件の登録・更新、確認作業を移管した。登録作業をデータセンターに移管することで、専任のスタッフが需要に合致した物件を適宜掲載することが可能になりポータルサイトの反響獲得の増加につながっている。

 反響来店率は33%。自社開発の業務管理システムを採用し、利用するポータルサイトや店舗、個人単位で反響数や来店率などの営業結果をリアルタイムで把握して分析することで業務改善につなげている。また、店舗周辺の物件を集中的に掲載し、来店率の向上につなげている。

 来店成約率は45%。新たに3店舗を出店しており、21年は年間の賃貸仲介件数を1000件増の4000件と見込む。20年は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で店舗の稼働率は低迷し、賃貸仲介件数は3000件となった。

 鈴木卓人社長は「9月になって都心部の賃貸需要は回復している。今後も年間3~5店のペースで出店し、22年は賃貸仲介件数5000件以上を目指す」と語る。今後は賃貸仲介業を起点に売買仲介事業、PM事業、リフォーム事業を拡大していく方針。これらの事業を合わせて、2~3年程度で賃貸仲介と同じ規模の売上高を目指す。

リライフ 鈴木卓人社長の写真

リライフ
東京都千代田区
鈴木卓人社長(38)

 

 

アパートセンター、仲介現場の声生かし物件づくり

来店成約率10%アップ

 年間仲介件数1267件のアパートセンター(岩手県盛岡市)は、18年から賃貸仲介部門と管理部門合同の空室対策会議を開始。客付けで他社物件を取扱う賃貸仲介部門の担当が会議に加わることで、他社との差別化につながる案や入居希望者の現場の声などを吸い上げた物件づくりを行っている。自らの提案が実現した物件紹介をするため、営業トークが充実し来店成約率は10%アップの61.5%と効果を上げている。

アパートセンターの会社情報まとめ

 同社の売上高(非開示)のうち、賃貸管理が47%、賃貸仲介が28%、建築紹介料などを含むその他売り上げが18%、売買仲介は7%を占める。

 パートを含む全従業員31人のうち、賃貸仲介部門の従業員は13人。この13人全員が営業業務と事務業務を兼任する。

 同社の商圏は岩手県盛岡市と紫波郡矢巾町。仲介店舗は全4店舗で、盛岡市内に3店舗、矢巾町に1店舗を構える。

アパートセンター本社の外観写真

アパートセンターの本社外観

 賃貸仲介事業売り上げ(非開示)の内訳は、仲介手数料とAD。一人当たりの年間成約件数は約129.6件。会社の月間成約件数は、繁忙期となる1~3月が170件、4~12月が105件だ。成約件数の比率は、専任媒介が47%、一般媒介が53%となる。仲介する顧客の属性は個人契約が9割で法人契約が1割。個人契約のうち社会人が9割、学生が1割となる。

 仲介手数料は家賃の1カ月分。平均成約単価は約6万円(駐車場成約を含む)となる。

 反響来店率(駐車場の仲介を含む)は、自社サイトが78.8%。ポータルサイト(SUUMO)が23.7%と自社サイトが中心だ。

 自社サイトには全店舗合計で月間約380件の物件情報を掲載。ポータルサイトには月間約750件を出稿する。ポータルサイトの出稿費用は年間約770万円となる。

 78.8%と高い数値を誇る自社サイトの反響来店率の理由に、成約までの角度の高い駐車場仲介の割合を含むことも挙げたが、その他にも工夫がある。谷上昭夫社長は「地域別や地図・学区など条件がピンポイントで検索できる。また、賃貸物件特集ページとして新築・築浅物件やペット可物件など全11種類のカテゴリーを用意し、ニーズ別での検索のしやすさを追求している」と語る。ポータルサイトに引けを取らないサイト作りが特徴だ。

 来店からの成約率は、61.5%。18年から空室対策会議に賃貸仲介部門の担当者も参加することで、現場の声を反映した物件作りがかなっている。同時に、自分たちの提案が実現された物件を顧客に営業するため、提案する物件情報の詳細が充実し営業トークの質向上に寄与。約1割成約率を高めることに成功した。

 賃貸仲介事業における今後の課題は分業化や専任担当制だという。谷上社長は「ポータルサイトへの物件情報の入れ替えや、社宅代行事業者から受け取る連絡へのレスポンスなど、早さが問われる業務に関し専任制で対応しないと他社より出遅れてしまう」と話す。

 基本業務のIT化で業務負担をなくし専任担当制の採用など検討していく方針だ。

(9月27日6面に掲載)

『仲介・管理会社ノート 仲介編④ ~後編~』

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