仲介・管理会社ノート 仲介編③

ユーミーネット, へいわ

企業|2021年09月21日

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 賃貸仲介は不動産会社のメーン事業になることも少なくない。集客、内見案内、契約など、各社はどのように取り組んでいるのか。今号では取材した2社の賃貸仲介事業を紹介する。

ユーミーネット、15分以内にメール返信

専門部署で反響来店率向上目指す

 年間の賃貸仲介9069件のユーミーネット(神奈川県藤沢市)は、メール対応の専門部署の設置や「Googleマップ」に登録されている店舗の検索順位を上昇させるMEO(アップルエンジン最適化)対策を強化し、反響からの来店・内見率を高めている。

 売上高は約24億円で、内訳は賃貸仲介(売買仲介、開発・販売を含む)が52.6%、付帯商品20%、そのほか16.6%、賃貸管理が10.4%、建築請負0.4%。グループの従業員は570人で、そのうち賃貸仲介担当者は社員126人、パート・アルバイト54人だ。

 商圏は神奈川県の湘南エリアが中心。仲介店舗数は30店舗で、湘南26店舗、埼玉2店舗、東京と福岡が各1店舗となる。

 同社の2019年9月から20年8月の賃貸仲介事業の売上高は12億3024万円で、前年同期比5%減少した。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受けた店舗の休業で仲介件数は減少。21年度は前年並みで推移しているという。

 内訳は仲介手数料40.2%、広告料40.1%、そのほか16.9%、保険代理店2.8%。成約件数のうち、一般媒介が100%、専任媒介は0%。仲介手数料の割合は不明で、平均成約単価は12万8041円。仲介手数料以外に、広告料金、消毒、鍵交換、保険、駆け付け、浄水器、災害備蓄品、簡易消火器などがある。

 事務スタッフを含む、仲介営業担当者1人あたりの平均年間契約数は、97.5件、月間の契約件数は、繁忙期が平均45~50件、そのほかの時期は平均38件だ。

 反響獲得の方法は、インターネットが100%。ネット反響は、「フェイスブック」、「インスタグラム」も利用しているが、ポータルサイトが9割を占め、自社サイトが1割。ポータルサイトは「SUUMO(スーモ)」を採用しており、4年前に1社に集約した。年間の登録件数は、重複も含めて約24万件で、代表物件になるために複数の店舗で同じ物件を登録している。自社サイトの登録件数は7万2000件。

 ネット反響の獲得件数は年間3万3000件で、反響獲得率は14%。SNSに物件情報も掲載しているが、主に会社情報の発信などに利用している。反響数を増やす工夫として代表物件になるために、多店舗で同じ物件の登録を行っている。また、飛び込み客に関しても、ネットで事前に情報を調べて来店するため、Googleマップ上の口コミ評価を高めるための対策に取り組んでいる。

 反響来店率は30%。反響から来店につなげるための取り組みとして、メールでの問い合わせ数が増加していることに対応し、21年度にメール反響対応の専門部署を立ち上げた。社員が2人、パートが2人の4人で対応。顧客から問い合わせがあると、15分以内に返信し、追客して来店予約につなげている。

 今後の目標は10分以内の返信だ。飛び込み客、紹介客を含めた成約率は6割。来店者の約60%が反響で、15%が紹介となっている。来店成約率を高める工夫として、掃除やあいさつ、身だしなみといった基礎的な取り組みのほか、キャリアに応じた研修を行っているという。浅岡亮二執行役員は「湘南エリアでは約7割が住み替えで、商圏内での移動が多い。学生の動きは低調だが、ファミリーややや広めの単身向け物件の需要は旺盛で、退去予定が決まった段階で次の入居者が確定している状況が続いている」と語る。

 

へいわ、改修予定を顧客に周知

来店成約率80%実現

 年間380件を賃貸仲介するへいわ(鳥取県倉吉市)は、退去予定の物件について、成約後に行うリフォームの計画をオーナーと立てておき、入居を検討する顧客に対して室内を改修する予定を周知。契約するメリットを顧客が感じて成約率が向上した。来店成約率は8割で、そのうち3割がリフォーム計画を事前にPRした物件だ。

 売上高は3000万円。事業別売上構成比は、賃貸管理が50%と最も高く、賃貸仲介とリフォーム事業が25%ずつと続く。全社員3人が賃貸仲介に携わる。

へいわ 会社情報まとめ

 

 仲介店舗は倉吉市に1店舗を置く。営業エリアは、鳥取県倉吉市、北栄町、琴浦町、三朝町だ。同社の商圏では、成約時に部屋探しの顧客から家賃の1カ月分の仲介手数料を得る。広告料をオーナーが管理会社に支払う習慣はない。

 管理物件は、単身向けが7割と多くを占める。入居者の属性は幅広く、非正規雇用、正社員、法人、学生、留学生、研究職の外国人などだ。家賃相場は、単身向けが3万5000~4万5000円、ファミリー向けが4万~6万円が目立つ。

 賃貸仲介事業の売り上げは750万円で、すべて仲介手数料の売り上げとなる。平均成約単価は、3万~4万円だ。仲介営業担当者の1人あたりの平均契約数は年間126件で、月間の平均契約数は繁忙期が45件、そのほかの期間は10~15件。仲介する物件は管理物件と一般媒介で5割ずつを占める。専任媒介はない。

 菅原伸育社長は「土地が安くファミリーは戸建てを購入するため、単身向けと比べてファミリー向けの賃貸住宅が建たない点がエリアの特徴」と語る。

 反響はインターネットが9割を占める。その中でもポータルサイトが中心で8割を「SUUMO(スーモ)」で担う。掲載する物件写真の画質にもこだわる。「暗くなりがちな室内は少しの光でも明るく撮れる一眼レフカメラ、外観はあざやかに撮影できるスマートフォンと、撮影する機材を使い分けることで、顧客の目を引く物件写真が掲載できている」と菅原社長は語る。

外観写真

スマートフォンで撮影した外観

内観写真

一眼レフカメラで撮影した内観

 反響来店率は未集計。同社では、3人で賃貸・売買仲介、管理業務を行うため、内見案内に時間を割くことが難しい。そのため、内見する物件の玄関を事前に開けておき、顧客が単独で内見を行う仕組みを構築することで業務効率化を図る。

 リフォームはクロスの張り替えのほか、水回りの交換や間取りの変更といった20万~100万円規模で行う。成約後の改修は費用返済の見込みが立ち、家主にとって安心感があるという。

へいわ 菅原伸育社長の写真

へいわ
鳥取県倉吉市
菅原伸育社長(55)

 

(9月20日6面に掲載)

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