空き家を活用したシェアハウスを運営する巻組(宮城県石巻市)とシェアリングエコノミー事業などを展開するガイアックス(東京都千代田区)は6月28日、入居者と出資者が物件の運営に関与できるDAO(ダオ)型シェアハウスプロジェクトの始動を発表。第1弾は、巻組が展開する空き家を活用するシェアハウスシリーズ「Roopt(ループト)」にて、「Roopt神楽坂DAO」として同日より入居募集を開始した。7月4日時点で90件近くの問い合わせが寄せられた。
利用権利はNFTで取得
同物件は、東京メトロ東西線神楽坂駅より徒歩5分に立地。築56年の木造2階建ての空き家をリノベーションした物件。ドミトリータイプで全4部屋10床。居住スペースのほかに母屋となる3LDKのコワーキングスペースも併設し、住居棟と2棟で構成されるシェアハウスだ。
「DAO」とは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、自律分散型組織という意味を持つブロックチェーンの活用事例だ。
物件を供給する側が運用ルールを決めるのではなく、入居者を主としたシェアハウスコミュニティーの中で民主的に運用ルールなどを決定していく点が「DAO」型といえ、同物件の最大の特徴だ。入居者ターゲットは学生起業家をメインに、物件運営の仕組みに興味や関心のある人とした。
プロジェクト参加者は、NFT(非代替性トークン)を購入し、同シェアハウスへの入居(1カ月)もしくはRooptシリーズ全物件へのワーケーション(7泊8日)利用の権利を獲得する。1NFTは3万円で、最大2年分の権利を購入可能。NFTの所有者は、シェアハウスの運用ルールの決定や、巻組から提供される予算の使い方を話し合いによって決定する。
巻組は、コミュニティーという無形のものがシェアハウスの新たな価値を測る指標になり得ることを期待するとした。
(2022年7月11日2面に掲載)