電気設備の販売やコンサルティングを行うエスコ(東京都新宿区)は、2005年より電子ブレーカー「ECS(エスココントロールシステム)」の販売を行っている。
共用部の電気料金抑える
電子ブレーカーとは、内蔵するCPU(中央演算処理装置)により使用設備の電流値や動作状況を正確に把握する機器。ECSは、「主開閉器契約」に対応する点が特徴だ。主開閉器契約とは、漏電を防ぐためのメインブレーカーの容量を基に基本料金を算出する契約方法。その容量は、使用設備で実際に利用する電力量から設定される。
通常のブレーカーは、使用設備に電流が流れたときに生じる熱により、電気回路の異常の有無を判断する。そのため、電力量に加えて外気熱やブレーカーの蓄積熱を加味した容量で契約電力量を設定する必要がある。結果、基本料金が高くなる傾向だ。一方、ECSはそれらの熱を考慮した契約容量ではなく、使用設備の電力分のみでの契約となる。ECSを設置し、契約方法を主開閉器契約に切り替えることで、適正な契約容量に変更して基本料金を約40~60%削減することができる。エレベーターや給排水ポンプなど、電力消費量が多く、使用頻度・時間が明確な共用設備において効果を発揮する。
エスコでは、さまざまな業種での導入実績で培ったノウハウを駆使し、料金を試算。使用設備に適した電力プランの提案を綿密に行う。不適切な料金を設定すると、電力の遮断が起きたり、料金の削減効果を実感できなかったりするからだ。
ECSは、22年12月13日時点で分譲マンションを中心に3万棟以上に提供されている。電気料金の値上げが続く中、同年1月から賃貸住宅向けにも展開を始めており、12月13日時点では約500棟の賃貸物件に導入されている。
(2023年1月2日・9日32面に掲載)