現状把握と長期視点が鍵【建物の寿命を延ばす~検討のポイント】

2025年09月25日

定期診断が第一歩

 大規模修繕を検討するにあたっては、まず専門家による定期的な建物診断を受けることから始め、長期的な視野で計画を立てることが重要だ。マンション管理組合向けコンサルティングを行うさくら事務所(東京都渋谷区)の土屋輝之氏は、「専門家による定期的な診断で、建物の現状を把握することが先決」と語る。建物全体について見る(目視)・触る(触診)・たたく(打診)といった診断を、できれば1年に1回、少なくとも3年に1回程度は実施することを土屋氏は勧める。

 電気通信会社のオプテージ(大阪市)で、施工会社とマンションの管理組合やオーナーとのマッチングサービスを提供する「マンション修繕なび」プロジェクトリーダーの廣田安將氏も建物診断を推奨。廣田氏は「無料で診断を請け負う事業者は、後に修繕工事を提案してくることが多いので、その点を織り込んでおいたほうがいい」と語る。

◆方法を決める

 大規模修繕には二つの方法があり、どちらにするかあらかじめ決めることが重要だ。土屋氏は「大きく分けて定周期保全と状態監視保全がある」と話す。定周期保全は、一定の年数が経過したら建物の劣化の程度にかかわらず定期的に修繕を行う方法。一方で状態監視保全は、定期的に建物を診断(監視)し、問題が見つかってから修繕に取り組むものだ。

 家主の間では状態監視保全が選ばれることが多いが、監視の周期が長く、また問題発覚から着工まで時間がかかると失敗するケースも多い。建物や設備に関する知識を得たうえで、これまでの賃貸経営の方針や、自身の周辺にどういった専門家がいるかなどの状況を踏まえて決めると良いようだ。

有料会員登録で記事全文がお読みいただけます

おすすめ記事▶『生成AIで業務効率化』

検索

アクセスランキング

  1. 不動産適正取引推進機構、宅建士試験24万5000人が受験

    一般財団法人不動産適正取引推進機構

  2. 大阪民泊、万博後も需要堅調

    matsuri technologies(マツリテクノロジーズ),REAH Technolo gies(リアテクノロジーズ),DRILL(ドリル)

  3. 東急不動産、多頭飼育可能賃貸を竣工

    東急不動産

  4. 小菅不動産、管理物件を築年数でリスト化【管理会社の大規模修繕提案】

    小菅不動産

  5. 泉佐野市、空き店舗利活用 4年で17軒【リノベ商店街】

    大阪府泉佐野市,一般社団法人バリュー・リノベーションズ・さの

電子版のコンテンツ

全国賃貸住宅住新聞からのお知らせ

お知らせ一覧

サービス

発行物&メディア

  • 賃貸不動産業界の専門紙&ニュースポータル

  • 不動産所有者の経営に役立つ月刊専門誌

  • 家主と賃貸不動産業界のためのセミナー&展示会

  • 賃貸経営に役立つ商材紹介とライブインタビュー

  • 賃貸管理会社が家主に配る、コミュニケーション月刊紙

  • 賃貸不動産市場を数字で読み解く、データ&解説集

  • RSS
  • twitter

ページトッップ