モテ部屋って何?SNSで話題のバズワードをひも解く
賃貸経営|2023年07月07日
SNSで物件集客を行う不動産会社が、ここ数年で爆発的に増えています。各アカウントによる投稿の中で「モテ部屋」というキーワードを目にするようになりました。従来のポータルサイト集客では見かけない文言のため、新たな集客手段として注目を集めています。今回は「モテ部屋」に関して、Instagramアカウント『内見女子』を運営するRoomBoxの鶴巻禎社長に取材しました。
【この人に聞きました】
Roombox 鶴巻 禎代表
平成27年 一橋大学 法学部卒業。大学卒業後、DeNAに入社。
アプリゲームの事業責任者や開発責任者、
事業責任者を束ねるグループのマネージャー等を経験。
令和2年 株式会社テイ・コーポレーションを設立。
【ダイジェスト動画】 これからどうなる?SNS型賃貸仲介
【目次】
●モテ部屋はいつ頃から使われ始めた?
●何故モテ部屋を使用するのか
●モテ部屋を使えば、反響は増える?
モテ部屋はいつ頃から使われ始めた?
YouTubeやTikTok、Instagramでよく目にする「モテ部屋」投稿ですが、いつ頃から使われ始めたのでしょうか。鶴巻代表は「『内見女子』のアカウントを立ち上げた2年前には既に、SNSで有名な部屋紹介アカウントが使っていた」と話します。これらの投稿は軒並み閲覧数が高かったため、鶴巻代表はモテ部屋を数字が取れるバズワードとして認識したといいます。ただ当時、モテ部屋は賃貸住宅の投稿が主流ではありませんでした。ユーチューバーやインスタグラマーが提供する「お洒落部屋」や「映え部屋」コンテンツから派生したワードとしてモテ部屋が使われていました。
SNSを見てみるとモテ部屋の他にも、モテる服やモテるデートプランといった「モテ」にフォーカスを当てた投稿が数多く存在します。SNSでは、モテやお金、健康など、人間の根源的な欲求に対して直線的に訴求する投稿が一般的です。こうしたSNS特有の動きが、賃貸住宅の部屋紹介にも波及した。と考えられます。
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何故モテ部屋が使われるのか
SNSでの物件集客においてモテ部屋が使われる理由は、大きく2つあります。1つ目は前述の通りモテるというワードが、見る側にとっての心地良さや馴染みやすさに繋がっており、高いエンゲージが期待できるため。2つ目は汎用性の高さが上げられます。
一般的なポータルサイトを見ていると、キャッチコピーとしてよく使用されているのは「駅チカ」「新築」「ロフト付き」などです。これらは物件の特徴であるため、当然使える部屋が限られています。駅チカは駅徒歩10分圏内、新築は築1年以内、ロフト付きは該当設備が必須となります。一方でモテ部屋には、明確な定義はありません。あくまで雰囲気や印象を指しているので究極的に言えばどの物件にも活用できる使い勝手の良さがあります。実際に内見女子では、壁面の一部に差し色が入っている物件やリノベーション物件などにも、モテ部屋として投稿されています。
モテ部屋を使えば、反響は増える?
では、モテ部屋として投稿すれば、どんな物件でもユーザーからの問い合わせは増加するのでしょうか。鶴巻代表は「モテ部屋はあくまで目を引くためのフックであり、反響に直結するわけではない。ユーザーから選ばれるためには、投稿のクオリティや投稿頻度、運営体制など、アカウントの総合的な力が必要とされる」と話していました。
例えば、月に1度しか更新されないアカウントや、動画編集の質が低い投稿、清潔感の無い部屋などを投稿していると、たとえモテ部屋として募集しても効果は見込めません。また、最近ではモテ部屋の投稿が無数にあるため、他物件との差別化も難しい状態です。付け焼刃的に使用したとしても、反響獲得は難しいでしょう。