約300戸を管理するシーサイドリアルエステート(福岡市)は、8年前から物件紹介にYouTube(ユーチューブ)を利用している。これまでに投稿した物件紹介の動画本数は200本以上に達する。
物件紹介動画200本以上
きっかけは、従業員の減少だ。社員は現在8人だが、かつては17人だった。離職率の高い不動産業界では、経験を積んだ社員の独立や転職が珍しくなく、社員が減っても来客応対の質や集客力が維持できるように、属人的な業務を減らすことも必要だ。
YouTubeの活用は物件紹介の手段として他社と差別化が図れ、商談時にアピールができる。さらに、インターネット検索で動画は上位にくることが多いため、SEO対策にも役立つ。自社ホームページから視聴できるようにしており、視聴者からの問い合わせもあるという。
2017年10月には、マンションの相場価格が分かるAI査定システムを導入。売買を検討している客が同社ホームページから利用することができるので、簡単な査定であれば従業員に頼らずとも行えるようになった。
和田勝美社長は「こうした取り組みで飛躍的に仲介件数や問い合わせが増えることはないが、インターネットやAIを活用することで属人化し過ぎない体制を整えていきたい」と語る。