地場不動産会社の平田不動産(福井県小浜市)は、不動産売買と買い取り再販に注力し、増収につなげている。売上高は5年で1.5倍の4億円に成長。ストック事業も伸ばし、2019年3月末に1598戸だった管理戸数を、23年10月1日時点で2152戸にまで増やした。平田稔社長に、これまでの実績や今後の成長戦略について取材した。
売買や買い取り再販に注力
18年に社長就任 1.5億円売り上げ増
平田不動産は福井県小浜市を主な商圏としている。地域活性化のために、住宅ストックの活用策を打ち出す。売買や買い取り再販に力を入れ、会社の成長につなげる。
平田社長は18年10月、社長に就任した。18年12月期に2億5334万円だった売り上げは、22年12月期で4億円にまで伸びた。
経常利益率は19年12月期が16%だったが、22年12月期は25%にまで引き上げた。
事業別の売り上げ構成は、賃貸管理が25%、自社所有物件の賃料収入が25%、売買仲介が20%、賃貸仲介が15%、そのほかが15%となっている。管理戸数は10月1日時点で、2152戸だ。
自社で賃貸運営 売買で管理も受託
売り上げを伸ばした理由の一つは、不動産売買や買い取り再販への注力だ。これら事業に力を入れ始めたのは、19年から。買い取った賃貸住宅を数年自社で運営し、その後、投資家へ販売する取り組みも行う。
平田稔社長は「売買仲介では、売主が物件についての情報を十分に持っていないことがある。いったん、当社で買い取って自社所有することで、物件の情報がしっかり蓄積できる。家賃のほか、建物のスペック、近隣の状況などがわかれば、安全な売買取引が可能になる」と話す。
22年度の買い取り再販事業の売り上げは、2500万円だった。