全国賃貸住宅新聞社では、7月19・20日に東京ビッグサイトで「賃貸住宅フェア2023 in 東京」を開催します。ここでは開催に先立ち、当日の出展企業の商品・サービスをピックアップして紹介します。
パレットクラウド、300万戸導入の入居者アプリ
業務削減と収益を両立
不動産会社向けに、入居者とのコミュニケーションツールとして入居者アプリ「パレット管理」を提供するパレットクラウド(東京都渋谷区)。初出展となる賃貸住宅フェアでは、サービス導入により業務効率化に成功した不動産会社の事例を基に、来場者へ訴求する。
パレット管理は大手不動産管理会社を中心に300万戸で導入されている。ある不動産会社では入居時の設備に関する案内や更新契約を同サービスでオンライン化。入居者とのコミュニケーションに関する経費の80%を削減できたという。
また、不動産会社から好評なのが、空室物件の電気の契約も管理することが可能な「パレット電気」だ。入居者が退去し空室になった際に、契約名義が自動的に不動産会社に切り替わり、原状回復工事や内見時に発生する電力会社への通電連絡が不要となる。不動産会社はすべての空室の料金を一括管理することができる。また、入居者は基本料金がかからず、使用した分の料金のみを負担。不動産会社には、入居者が使用した電気料金に応じた手数料が支払われる仕組みだ。
4月には、対話型人工知能(AI)の「Chat(チャット)GPT」とパレット管理をAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携。入居者からの問い合わせに対する回答文が自動で生成され、不動産会社の業務効率化に寄与している。
ハウスドクター24、1戸から受電業務を代行
管理戸数100戸以下が対象
賃貸向けの緊急駆け付けサービスを手がけるハウスドクター24(東京都新宿区)は5月1日より、管理戸数1戸から利用できるコールセンターサービス「すむとす」を展開。管理戸数100戸以下の管理会社や自主管理オーナーを対象に、同社のコールセンターサービスを対応件数の制限付きで低コストで提供する。
24時間365日対応するプランと夜間・休日のみ対応するプランの2種類を用意。入居者からの物件に関する相談に同社のコールセンターが受電対応し、対応内容をメールで管理会社やオーナーに報告する仕組みだ。鍵の紛失や水漏れなど緊急対応が必要な際は、別途有償で駆け付けることも可能。
同社は2017年からコールセンターや駆け付けサービスを行っている。19年から展開する駆け付けサービス「おへやサポート」は約2万戸に提供。自主管理オーナーや小規模の管理会社は、費用の高さからコールセンターを利用できず、電話対応に多くの時間を割いてしまう傾向がある。業務時間外や休日でも入居者の対応を行わなければならないといった声を受け開発に至った。
料金は、24時間365日対応のプランで月額5万5000円、夜間や休日のみ対応のプランで月額3万3000円(いずれも税込み)。両プラン内で対応できるのは毎月10件まで、それ以上は1件ごとに2750円(税込み)で利用可能だ。
ユニコム、「脱エクセル」で賃貸管理
中小企業向け管理ソフト
新聞販売店向け業務管理システム開発の経験を基に、管理会社にクラウド型賃貸管理システム「Simple Up(シンプルアップ)賃貸管理システム」を提供しているのがユニコム(埼玉県入間市)だ。今回の賃貸住宅フェアでは、賃貸管理に必要とされる四つの機能を搭載した同システムを提案する。
Simple Up賃貸管理システムの主な機能は次の4種類。一つ目は新規契約書類や重要事項説明書の作成機能。二つ目は、更新契約の対象者を一覧にし、更新案内の書類を作成する更新案内機能。三つ目は、集金管理をしている物件の家賃の入金消し込み作業を自動化する入金管理機能。四つ目は、家主へ送金した賃料の明細書を作成する収支報告機能だ。
開発の際には、操作マニュアルを参照せずに直感で操作できる点にこだわった。管理戸数が増えて、「エクセル」での管理では対応が難しい顧客と物件情報の一元管理や、書類作成で起こりがちなミスの予防が可能。利用を想定する不動産会社の管理戸数は、数十戸から1500戸ほどだ。
月額の利用料金は4980円(税別)からで、初期の導入費用の有無により異なる。
パナソニックAWエンジニアリング、3点ユニットバスを分離
水回り空間をアップグレード
住宅設備の販売・施工を行うパナソニックAWエンジニアリング(東京都品川区)は、トイレとバス、洗面から成る3点ユニットバスを分離する住宅設備「SHOWER&POWDER Ⅱ(シャワーアンドパウダーツー)」を展開している。
既存の3点ユニットと同じスペースで、居室の広さを損なうことなくシャワーとトイレを分離するユニットだ。水回りの省スペース化により、単身向け物件などの空間を有効活用し、居住快適性をアップさせる。標準採用するトイレは、温水洗浄便座付きのタンクレストイレとなる。節水機能が備わっていることに加え、水あかがつきづらい「スゴピカ素材」を採用しており、汚れがたまりにくい。タンクレスのため、トイレ空間の圧迫感を軽減できることも特徴の一つ。物件の雰囲気に合わせて、壁の柄も15種類から選択可能だ。
施工期間は最短で2日程度。対応サイズも3種類用意することで、さまざまな物件に幅広く対応できる体制をとる。
2022年度は21年度に引き続き、過去最高の出荷台数を更新した。省施工・短納期であること、品質を一定化できメンテナンスも容易であることが評価され、大型物件での導入が進んだ。賃貸住宅のリフォームにとどまらず新築物件においても採用が増え、大学の寮やホテルなどの宿泊施設の領域での導入が拡大している。
(2023年7月3日12面に掲載)